地域のリスクについて | 大野もとひろオフィシャルブログ Powered by Ameba

地域のリスクについて

 

地球温暖化の進行に伴い、前例のない巨大台風や集中豪雨による水害の発生リスクは年々高まっていて、想定外の事態が当たり前のようになっています。

県内では、令和元年東日本台風の際に、甚大な浸水被害や住宅被害がありました。また最近は、土砂災害に対する世間の関心も高まっています。

埼玉県において、堤防や水門、調節池などの河川管理施設は、時間50ミリ程度の降雨への対応で、また、砂防関係施設は、地域で重要な避難場所や要配慮者利用施設の存在する箇所から優先的に、それぞれ整備を推進しています。

想定を超える自然の脅威に対し、「ここまでやったから安全」「ここまでやれば大丈夫」ということはありませんが、効果の高い取り組みを着実に進めていくことが重要です。

これから本格的な台風シーズンを迎えるにあたり、県民の皆様にはいつ起こるかもしれない、もしもの時に備えて、防災に対する意識を持つこと、つまり、日頃から水害、土砂災害に対する事前の備えを行うことをお願いします。

ここではまず、埼玉県の潜在的なリスクについて説明します。

埼玉県における近年の集中豪雨の状況ですが、気象データによると、埼玉県は平成3年から令和2年にかけて、1時間あたり50ミリ以上の雨を記録した年間回数は、年々、増加傾向にあります。

平成7年から平成27年までの約20年間で、発生頻度は2倍となっています。

今年も既に、6月16日に熊谷で、1時間あたり50ミリ以上の雨を観測しています。

1時間あたり50ミリ以上の雨とは、道路があっという間に冠水するような雨で、滝のように降る非常に激しいものです。今後、こういった雨が埼玉県において、増えていくと予想されます。



土砂災害のおそれのある区域は、秩父地域や県西部に集中していて、土石流や地すべり、がけ崩れなどの土砂災害は、ひとたび発生すると多大な被害をもたらし、人命を一瞬のうちに奪う危険があります。

 

他方、埼玉県の河川は、地形的に平坦な場所で数多く合流しています。

これら河川が合流する場所では、水位が上昇しやすい特徴があり、排水不良による浸水被害が発生する可能性が高い傾向にあります。実際、令和元年東日本台風の際には、河川の合流点付近における被害が多くありました。

このような比較的平坦な市街化が進んでいる県南部にも土砂災害のリスクがあることをご存じでしょうか。

このような埼玉県の潜在的リスクを踏まえて、ご自宅や避難所、避難経路に水害や土砂災害のリスクがどのくらいあるのか、あらかじめ確認していただくことが重要となります。



市町村では、これらのリスク情報を記載した洪水や土砂災害のハザードマップを作成しています。

『ハザードマップポータルサイト』では、それぞれの市町村のハザードマップをご覧になれるので、避難場所や安全な避難ルートを考える上での参考としてください。

また、国土交通省が開発・提供している『地点別浸水シミュレーション検索システム(通称『浸水ナビ』)』では、河川氾濫が生じた場合における経過時間ごとの浸水範囲や、浸水深の変化をアニメーションやグラフなどで視覚的に把握することができます。

『浸水ナビ』では、調べたい住所を指定すると、このような情報を入手することができますので、活用してください。