北方領土交渉について、総理に質しました。 | 大野もとひろオフィシャルブログ Powered by Ameba

北方領土交渉について、総理に質しました。

昨28日、1年半ぶりに本会議での代表質問を行わせていただきました。外国人労働者受け入れに関する入管法への質問です。

冒頭で入管法の質問に入る前に、日本とロシアの間で加速することが合意された北方領土に関する交渉について質問しました。安倍総理の進める北方領土交渉は、1956年の日ソ共同宣言を基礎とするとしており、日本が苦労して勝ち取ってきた他の合意や宣言に基づくか、と何度外務大臣等に聞いても答えません。このままでは、2島先行ではなく、2島ぽっきりとなり、戦後始めて我が国は領土を他国に売り渡すことになってしまうと言う危機感から、以下の通り質問しました。

 

 

 シンガポールで開催された安倍総理とプーチン大統領との会談の結果、一九五六年の日ソ共同宣言を基礎として平和条約交渉を加速させることが合意された由です。九三年までの北方領土をめぐる日本外交は、いかに四島を明記して一括解決につなげるかを目指してきました。その結果、九三年の東京宣言で四島明記を勝ち取ったのです。だからこそ、それ以降の北方領土に関する合意等においては、九三年東京宣言、二〇〇一年イルクーツク声明、二〇〇三年日ロ行動計画等が交渉の基礎として記されました。二島先行返還であっても、四島一括合意が前提となったのです。五六年共同宣言のみが基礎ならば、二島だけの引渡しになり、我が国の立場を大きく後退させることになります。
 総理に伺います。
 二島ぽっきりの合意ではなく、法的根拠なくロシアに占拠されている我が国固有の領土である四島の返還というこれまでの政府の立場を明言し、一九九三年東京宣言を交渉の基礎として、四島一括合意を行うという立場は不変であり、我が国領土を外国に売り渡すことになる戦後初めての総理にはならないと断言してください。

これに対して総理は、以下の通り答弁しました。

 まず初めに申し上げておきたいことは、領土問題を解決して平和条約を締結するというのが我が国の一貫した立場であり、この点に変更はないということです。
 今般、プーチン大統領と一九五六年共同宣言を基礎として平和条約交渉を加速させるとの合意に至りました。
 日ロ間では、これまで、一九九三年の東京宣言、二〇〇一年のイルクーツク声明、二〇〇三年の日ロ行動計画を始め、多くの諸文書や諸合意が作成されてきており、これらの諸文書や諸合意を踏まえた交渉を行ってきています。
 その中でも、一九五六年の日ソ共同宣言は、両国の立法府が承認し、両国が批准した唯一の文書であり、現在も効力を有しています。一九五六年の共同宣言の第九項は、平和条約交渉が継続されること及び平和条約締結後に歯舞群島、色丹島が日本に引き渡されることを規定しています。
 従来から政府が説明してきているとおり、日本側は、ここに言う平和条約交渉の対象は四島の帰属の問題であると一貫して解釈しています。
 したがって、今回の一九五六年宣言を基礎として平和条約交渉を加速させるとの合意は、領土問題を解決して平和条約を締結するという従来の我が国の方針と何ら矛盾するものではありません。

 

 

これまでの外務大臣の答弁よりは突っ込んだもので四島の帰属の問題が平和交渉の対象とは言いましたが、「ロシアに法的根拠なく占拠されている」とも、現在の交渉が東京宣言等をきそとするということも、「我が国領土を外国に売りわたすことになる戦後初めての総理にならない」とも断言してもらえず、きわめて残念でした。本件については、これからもしっかり議論し、あのような形で奪われた領土を決して明け渡してはいけないと主張し続けてまいります。