国連プロジェクト・サービス機関の不正に関連し、質問させていただきました
今国会においては、政府開発援助(ODA)についても二度ほど取り上げさせていただきました。一昨年も取り上げさせていただいたまま、我が国としての取り組みが見えない国連プロジェクト・サービス機関(UNOPS)の不正に対する我が国の取り組み、そして新聞でも報道されたヴェトナム等に対するODAに絡む日本交通技術株式会社(JTC社)の賄賂不正です。
我が国のODAの有効性、それぞれの機関や請け負っている企業の努力には頭が下がります。しかしながら、一部の機関や企業の不正によりODAに対する信頼が失われることはあってはならず、それが国民の血税を元手にしている以上、絶対にあってはなりません。しか残念なことに、過去にも国連を通じて私腹を肥やす様子や企業がリベートを支払い、そこから相手国政府関係者が個人的に多額の資金を得ていた例は、いくつもありました。
今回は、3月18日に、小生が筆頭理事を務める政府開発援助等に関する特別委員会での質疑の様子をご報告させていただきます(詳細については、http://kokkai.ndl.go.jp/cgi-bin/KENSAKU/swk_dispdoc.cgi?SESSION=21372&SAVED_RID=1&PAGE=0&POS=0&TOTAL=0&SRV_ID=10&DOC_ID=3087&DPAGE=1&DTOTAL=45&DPOS=3&SORT_DIR=1&SORT_TYPE=0&MODE=1&DMY=21388をご参照ください)。
まずは、平成23年に参議院におけるODAの持続的な推進を求める決議で「政府においては東日本大震災に際し開発途上国・地域から寄せられた支援を踏まえ、特に適切な措置を講じつつ、戦略的かつめり張りの効いた形でのODAの持続的な推進に努めるべき」としたのに対し、現政権が十分に対応しているかについて質問させていただきました。
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○大野元裕君 ODAは、全体として下がり続けております。また、先ほど重点分野でおっしゃっていただきました教育、文科、こういったところは実は大幅に削減をされています。
東日本大震災に際しましては、世界各国百六十三か国から御支援をいただいたと承知をしておりますし、その中には、大変厳しい財政状況にあるにもかかわらず我が国に対して支援し、その際には、一部の国では、我が国がODAを通じて支援してきたことに対する恩返しである、こう表明された国もあります。
我が国も当然厳しい予算状況であることは十分承知していますけれども、しかしながら、いま一度我が院の国会の議決を踏まえて、このODAに対する減額方針というものは私は見直すべきであったと思いますけれども、大臣、いかがお考えでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) 御指摘のように、政府全体の一般会計ODA当初予算、大変厳しい財政状況の下、平成九年をピークにしまして過去十六年間減少をしております。ピーク時と比べまして約半分の水準になっているというのが現状でございます。外務省のODA予算につきましては、先ほど申し上げさせていただきましたように、四年連続増額とはなっておりますが、現状は本当に大変厳しい状況にあると認識をしております。
先ほどの平成二十三年度の国会決議等もしっかり踏まえながら、まずは戦略的かつめり張りの効いた形でODAの持続的な推進に努めていきたいとは存じますが、予算の確保につきましても外務大臣としましてはしっかりと努力をしていかなければならない、このように認識をしております。
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次に、安倍政権の実質的な円安誘導政策が、中小企業と消費者、あるいは防衛調達費やエネルギー調達費等にマイナスの影響を強く与えているのみならず、ODAでも受益者から見るとマイナスになっている、あるいは調整のためにさらに国費の流出を招いている点について質問させていただきました。
その結果、政府拠出見込みで849億円、ODAでは約250億円が、今年度だけでも補てん金として追加的な国民の負担になっていることが明らかになりました。また、JICA交付金の円建て拠出が全体の61%であり、安倍政権誕生以来この質問時点で円安が22%進行していることから考えれば、概算ですが受益国の受取額は円建てで約393億円も目減りしていることがわかりました。
さらにその上で、UNOPSの不正について2年前に引き続き再度取り上げ、日本政府がこの不正について以下に取り組んでいるかを質しました。
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○大野元裕君 二〇〇八年から二〇一〇年のアフガニスタンにおけるUNDP、国連開発計画、そしてUNOPSの活動に関する不適切な拠出、もう一度申し上げれば、例えばアフガニスタンの小規模プロジェクトにお金を付けてみたら、実際にはそこでは何もできずに、ドバイやハイチで彼らのオフィスができていた、こういうふざけた件です。この問題が明るみに出て以降、アフガニスタンにおけるUNOPSへの拠出は、実は日本が突然突出してしまったんです。そういったことに対して対処をしていただきたいというお話をさせていただきましたが、来年度予算はUNOPSに対する拠出は停止されるということでよろしいんでしょうか、大臣。
○国務大臣(岸田文雄君) 御指摘のUNOPSに対する支出ですが、元々UNOPSの運営に対する経費は、個々のプロジェクトごとに我が国としては支援を行い、そしてそのプロジェクト管理費から運営の経費が賄われているということであります。よって、このUNOPSの運営のための拠出金は、これは予算には計上しておりません。
来年度のUNOPSの個別事業につきましては、無償資金協力予算等からプロジェクトの実施国の政治、治安情勢及び支援ニーズを見極めて実施するということでありますので、現時点ではUNOPSに対する支援、拠出、これは断定的なことは申し上げられないと考えています。
○大野元裕君 予算に含まれないのであれば、国会からは現時点では見えません。そうすると、今継続している事業も、当然UNOPS、UNDP、両方ありますけれども、これらの現在継続している事業について、特にアフガニスタンですけれども、監視をどのように行って、あるいは過去における事業をどのように検証したのかを教えてください。
○国務大臣(岸田文雄君) UNDP、あるいはUNOPSに対する我が国の拠出により実施される事業につきましては、まずは、両機関から提出されます実施報告書に基づいて外務省、大使館、JICAが案件進捗の状況を確認していく、こういったことで監視、検証をしております。あわせて、視察可能な地域については大使館による現場視察を行っている、こうした状況にあります。
○大野元裕君 二年前と同じお答えだったような気がいたします。できるところは見ていきます、そして報告書を見ます。しかし、実際にこれだけの問題が起こった機関ですから、我々はしっかりとこれを監視していかないといけないと思っています。
アフガニスタンのような厳しい地域でUNDPやUNOPSが一生懸命やってくれていることを知っています。しかし、一部には不届き者もいます。だとすれば、我々は、一度そういった問題があって指摘された機関であればこそ、今までと同じ手法ではない検証が必要だと思いますけれども、大臣、先ほどのお答えでは納得ができません。
○国務大臣(岸田文雄君) 御指摘のUNOPSの状況、活動につきましては、二〇一二年のUNOPSの財政諸表に関する国連会計検査委員会の監査報告書、案件管理や財務報告等に関する改善の必要性を指摘しつつも、最終的な監査意見として、UNOPSの財務諸表について全て重要な点については適正に表示されている、こうした結論付けを行っております。
こうした、全体としてはこのような評価がされているわけですが、ただ、御指摘がありましたこのアフガニスタンでの過去の案件の指摘等を踏まえまして、我が国も、アフガニスタンにおいて外務省がUNOPSを通じて実施する新規案件については、委員の御指摘もありました、こうした御指摘も踏まえまして、外部監査に係る費用をプロジェクト経費の中で計上し、第三者、民間監査法人による監査を実施することを予定したいと考えます。
○大野元裕君 今おっしゃった二〇一二年の財務報告、私もこれ丹念に読ませていただきました。確かに、過去数年間大きな問題を抱えていたUNOPSですけれども、改善が見られるということは指摘されています。
しかし、二〇一二年に監査報告を出そうとして、これ、歴史上初めてUNOPSが、非常に僕もびっくりしたんですけど、国際会計基準をやっと採用しようとした。ところが、出そうとしたら余りにも内部の監査の能力がないので外部のコンサルタントを急遽雇わざるを得なかったとか、あるいは、なぜかほとんどのプロジェクトが予算どおりの額で仕上がっているとか、UNOPSの要員の不正に対する意識が低いとか、コストパフォーマンスが半分近くのクライアントが満足していない、非常に悪いと、そういったことを、まだまだ枚挙にいとまがないんですが、まだまだ書いてあるんです。改善はされたにしても、二〇一二年の国連の中の監査の報告ですよ、これ。国連の報告ですよ。
だとすれば、我が国がやったプロジェクト、新しいものではなくて現在行っているものについても遡って第三者機関に検査をさせるとか様々な工夫が必要ではないかと思いますけれども、いかがでございますか。
○国務大臣(岸田文雄君) まず、御指摘のように、国連の監査につきましては御指摘のような評価が出ております。そして、このUNOPS全体の国連の評価は御指摘のような形で出ているわけですが、我が国が関わった事業につきましては個別に従来から我が国として監視、検証をしてきた、こういったことであります。ですから、現状につきまして、現在までのUNOPSの活動につきましては、国連全体として御指摘のように評価し、そして我が国自身も監視、検証をしてきた、こういった形で適正さを確保してきたと認識をしております。
是非、そういったことでありますので、今後実施するものにつきましては、第三者、民間監査法人による監査を実施する、こういったことで対応していきたいと我々は考えております。
○大野元裕君 大臣がおっしゃいました、UNOPSの新しい契約については第三者機関の監査を経費に含んでそれをやらせるということですが、ということは、これ、第三者機関はUNOPSが選択をしてUNOPSが支払をその中から行うということになるんじゃないんですか。ということは、これ、機関は第三者だけれども、UNOPSの影響下に置かれるような第三者機関の監査でよろしいんでしょうか。大臣、教えてください。
○国務大臣(岸田文雄君) 第三者の民間監査法人による外部監査の費用ですが、これはプロジェクト経費の中に計上することによって確実かつ迅速に実施することを考えていきたいと思っております。
そして、具体的にこのUNOPSの影響があるのかという御指摘でありますが、現時点では今、アフガニスタンにおいて新規案件の予定はありません。しかし、今後、こうした案件が出てき、そしてそれを実施するということになりましたら、具体的な手続につきましては是非UNOPSと協議をしていき、公正性を担保する旨、努力をしていきたいと考えています。
○大野元裕君 一つのプロジェクトの中に内包された資金であればこそ、私は、UNOPSの手によるのではなくて、あるいはUNOPSの影響にあるのではなくて、やはり今の合意の段階からこういった形で進めさせていただきたいということを構築いただくということが必要だと思うし、アフガニスタンのような状況、あるいは東ティモールでもハイチでもそうでしたけれども、UNOPSが重要な役割を担っていることはよく知っていますし、恐らく今年度、来年度辺りで案件も出てくるんだろうと私も思います、ほかにやる人がいませんから。
ただ、そのときにはしっかりとした監視の制度をつくっていただくことが、先ほど冒頭申し上げました、本院といたしまして、めり張りの付いた戦略的なODAを進めていただくとともに腐敗防止、コンプライアンス、これを同時並行で進めていただくという、この我が院の意思でもございますので、これは今日はUNOPSのみを取り上げましたけれども、全体として、大臣の方でも、お金を取ってくるだけではなくて、そういった我が院に対する責任を果たしていただけますよう最後にお願いをしたいと思いますが、もし何かあれば一言いただいて、私の質問を終わりたいと思っています。
○国務大臣(岸田文雄君) まず、御指摘のUNOPSの第三者民間監査法人の選定につきましては、外務省が主体となって選定するべく協議を進めたいと存じます。そして、全体についての御指摘につきましては、御指摘のとおり、是非、この運用の透明性、公平性を確保するためにしっかりと努力をしていかなければならないと考えます。
引き続き、御指摘を踏まえながら努力をしていきたいと思っております。
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国民の皆様の血税だからこそ、国会は厳しい監視の目を政府に向けなければならないことは当然です。また、「気前のよい」日本が甘く見られて、次から次へと一部の国連機関の「食い物」になり、血税の垂れ流しがなされてはなりません。だからこそ、不正が判明したときには厳しく対応し、ひいてはODAへの国民の皆様の信頼を再構築する必要があると考えており、小生としても今後もしっかりと監視をしていきたいと考えています。
我が国のODAの有効性、それぞれの機関や請け負っている企業の努力には頭が下がります。しかしながら、一部の機関や企業の不正によりODAに対する信頼が失われることはあってはならず、それが国民の血税を元手にしている以上、絶対にあってはなりません。しか残念なことに、過去にも国連を通じて私腹を肥やす様子や企業がリベートを支払い、そこから相手国政府関係者が個人的に多額の資金を得ていた例は、いくつもありました。
今回は、3月18日に、小生が筆頭理事を務める政府開発援助等に関する特別委員会での質疑の様子をご報告させていただきます(詳細については、http://kokkai.ndl.go.jp/cgi-bin/KENSAKU/swk_dispdoc.cgi?SESSION=21372&SAVED_RID=1&PAGE=0&POS=0&TOTAL=0&SRV_ID=10&DOC_ID=3087&DPAGE=1&DTOTAL=45&DPOS=3&SORT_DIR=1&SORT_TYPE=0&MODE=1&DMY=21388をご参照ください)。
まずは、平成23年に参議院におけるODAの持続的な推進を求める決議で「政府においては東日本大震災に際し開発途上国・地域から寄せられた支援を踏まえ、特に適切な措置を講じつつ、戦略的かつめり張りの効いた形でのODAの持続的な推進に努めるべき」としたのに対し、現政権が十分に対応しているかについて質問させていただきました。
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○大野元裕君 ODAは、全体として下がり続けております。また、先ほど重点分野でおっしゃっていただきました教育、文科、こういったところは実は大幅に削減をされています。
東日本大震災に際しましては、世界各国百六十三か国から御支援をいただいたと承知をしておりますし、その中には、大変厳しい財政状況にあるにもかかわらず我が国に対して支援し、その際には、一部の国では、我が国がODAを通じて支援してきたことに対する恩返しである、こう表明された国もあります。
我が国も当然厳しい予算状況であることは十分承知していますけれども、しかしながら、いま一度我が院の国会の議決を踏まえて、このODAに対する減額方針というものは私は見直すべきであったと思いますけれども、大臣、いかがお考えでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) 御指摘のように、政府全体の一般会計ODA当初予算、大変厳しい財政状況の下、平成九年をピークにしまして過去十六年間減少をしております。ピーク時と比べまして約半分の水準になっているというのが現状でございます。外務省のODA予算につきましては、先ほど申し上げさせていただきましたように、四年連続増額とはなっておりますが、現状は本当に大変厳しい状況にあると認識をしております。
先ほどの平成二十三年度の国会決議等もしっかり踏まえながら、まずは戦略的かつめり張りの効いた形でODAの持続的な推進に努めていきたいとは存じますが、予算の確保につきましても外務大臣としましてはしっかりと努力をしていかなければならない、このように認識をしております。
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次に、安倍政権の実質的な円安誘導政策が、中小企業と消費者、あるいは防衛調達費やエネルギー調達費等にマイナスの影響を強く与えているのみならず、ODAでも受益者から見るとマイナスになっている、あるいは調整のためにさらに国費の流出を招いている点について質問させていただきました。
その結果、政府拠出見込みで849億円、ODAでは約250億円が、今年度だけでも補てん金として追加的な国民の負担になっていることが明らかになりました。また、JICA交付金の円建て拠出が全体の61%であり、安倍政権誕生以来この質問時点で円安が22%進行していることから考えれば、概算ですが受益国の受取額は円建てで約393億円も目減りしていることがわかりました。
さらにその上で、UNOPSの不正について2年前に引き続き再度取り上げ、日本政府がこの不正について以下に取り組んでいるかを質しました。
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○大野元裕君 二〇〇八年から二〇一〇年のアフガニスタンにおけるUNDP、国連開発計画、そしてUNOPSの活動に関する不適切な拠出、もう一度申し上げれば、例えばアフガニスタンの小規模プロジェクトにお金を付けてみたら、実際にはそこでは何もできずに、ドバイやハイチで彼らのオフィスができていた、こういうふざけた件です。この問題が明るみに出て以降、アフガニスタンにおけるUNOPSへの拠出は、実は日本が突然突出してしまったんです。そういったことに対して対処をしていただきたいというお話をさせていただきましたが、来年度予算はUNOPSに対する拠出は停止されるということでよろしいんでしょうか、大臣。
○国務大臣(岸田文雄君) 御指摘のUNOPSに対する支出ですが、元々UNOPSの運営に対する経費は、個々のプロジェクトごとに我が国としては支援を行い、そしてそのプロジェクト管理費から運営の経費が賄われているということであります。よって、このUNOPSの運営のための拠出金は、これは予算には計上しておりません。
来年度のUNOPSの個別事業につきましては、無償資金協力予算等からプロジェクトの実施国の政治、治安情勢及び支援ニーズを見極めて実施するということでありますので、現時点ではUNOPSに対する支援、拠出、これは断定的なことは申し上げられないと考えています。
○大野元裕君 予算に含まれないのであれば、国会からは現時点では見えません。そうすると、今継続している事業も、当然UNOPS、UNDP、両方ありますけれども、これらの現在継続している事業について、特にアフガニスタンですけれども、監視をどのように行って、あるいは過去における事業をどのように検証したのかを教えてください。
○国務大臣(岸田文雄君) UNDP、あるいはUNOPSに対する我が国の拠出により実施される事業につきましては、まずは、両機関から提出されます実施報告書に基づいて外務省、大使館、JICAが案件進捗の状況を確認していく、こういったことで監視、検証をしております。あわせて、視察可能な地域については大使館による現場視察を行っている、こうした状況にあります。
○大野元裕君 二年前と同じお答えだったような気がいたします。できるところは見ていきます、そして報告書を見ます。しかし、実際にこれだけの問題が起こった機関ですから、我々はしっかりとこれを監視していかないといけないと思っています。
アフガニスタンのような厳しい地域でUNDPやUNOPSが一生懸命やってくれていることを知っています。しかし、一部には不届き者もいます。だとすれば、我々は、一度そういった問題があって指摘された機関であればこそ、今までと同じ手法ではない検証が必要だと思いますけれども、大臣、先ほどのお答えでは納得ができません。
○国務大臣(岸田文雄君) 御指摘のUNOPSの状況、活動につきましては、二〇一二年のUNOPSの財政諸表に関する国連会計検査委員会の監査報告書、案件管理や財務報告等に関する改善の必要性を指摘しつつも、最終的な監査意見として、UNOPSの財務諸表について全て重要な点については適正に表示されている、こうした結論付けを行っております。
こうした、全体としてはこのような評価がされているわけですが、ただ、御指摘がありましたこのアフガニスタンでの過去の案件の指摘等を踏まえまして、我が国も、アフガニスタンにおいて外務省がUNOPSを通じて実施する新規案件については、委員の御指摘もありました、こうした御指摘も踏まえまして、外部監査に係る費用をプロジェクト経費の中で計上し、第三者、民間監査法人による監査を実施することを予定したいと考えます。
○大野元裕君 今おっしゃった二〇一二年の財務報告、私もこれ丹念に読ませていただきました。確かに、過去数年間大きな問題を抱えていたUNOPSですけれども、改善が見られるということは指摘されています。
しかし、二〇一二年に監査報告を出そうとして、これ、歴史上初めてUNOPSが、非常に僕もびっくりしたんですけど、国際会計基準をやっと採用しようとした。ところが、出そうとしたら余りにも内部の監査の能力がないので外部のコンサルタントを急遽雇わざるを得なかったとか、あるいは、なぜかほとんどのプロジェクトが予算どおりの額で仕上がっているとか、UNOPSの要員の不正に対する意識が低いとか、コストパフォーマンスが半分近くのクライアントが満足していない、非常に悪いと、そういったことを、まだまだ枚挙にいとまがないんですが、まだまだ書いてあるんです。改善はされたにしても、二〇一二年の国連の中の監査の報告ですよ、これ。国連の報告ですよ。
だとすれば、我が国がやったプロジェクト、新しいものではなくて現在行っているものについても遡って第三者機関に検査をさせるとか様々な工夫が必要ではないかと思いますけれども、いかがでございますか。
○国務大臣(岸田文雄君) まず、御指摘のように、国連の監査につきましては御指摘のような評価が出ております。そして、このUNOPS全体の国連の評価は御指摘のような形で出ているわけですが、我が国が関わった事業につきましては個別に従来から我が国として監視、検証をしてきた、こういったことであります。ですから、現状につきまして、現在までのUNOPSの活動につきましては、国連全体として御指摘のように評価し、そして我が国自身も監視、検証をしてきた、こういった形で適正さを確保してきたと認識をしております。
是非、そういったことでありますので、今後実施するものにつきましては、第三者、民間監査法人による監査を実施する、こういったことで対応していきたいと我々は考えております。
○大野元裕君 大臣がおっしゃいました、UNOPSの新しい契約については第三者機関の監査を経費に含んでそれをやらせるということですが、ということは、これ、第三者機関はUNOPSが選択をしてUNOPSが支払をその中から行うということになるんじゃないんですか。ということは、これ、機関は第三者だけれども、UNOPSの影響下に置かれるような第三者機関の監査でよろしいんでしょうか。大臣、教えてください。
○国務大臣(岸田文雄君) 第三者の民間監査法人による外部監査の費用ですが、これはプロジェクト経費の中に計上することによって確実かつ迅速に実施することを考えていきたいと思っております。
そして、具体的にこのUNOPSの影響があるのかという御指摘でありますが、現時点では今、アフガニスタンにおいて新規案件の予定はありません。しかし、今後、こうした案件が出てき、そしてそれを実施するということになりましたら、具体的な手続につきましては是非UNOPSと協議をしていき、公正性を担保する旨、努力をしていきたいと考えています。
○大野元裕君 一つのプロジェクトの中に内包された資金であればこそ、私は、UNOPSの手によるのではなくて、あるいはUNOPSの影響にあるのではなくて、やはり今の合意の段階からこういった形で進めさせていただきたいということを構築いただくということが必要だと思うし、アフガニスタンのような状況、あるいは東ティモールでもハイチでもそうでしたけれども、UNOPSが重要な役割を担っていることはよく知っていますし、恐らく今年度、来年度辺りで案件も出てくるんだろうと私も思います、ほかにやる人がいませんから。
ただ、そのときにはしっかりとした監視の制度をつくっていただくことが、先ほど冒頭申し上げました、本院といたしまして、めり張りの付いた戦略的なODAを進めていただくとともに腐敗防止、コンプライアンス、これを同時並行で進めていただくという、この我が院の意思でもございますので、これは今日はUNOPSのみを取り上げましたけれども、全体として、大臣の方でも、お金を取ってくるだけではなくて、そういった我が院に対する責任を果たしていただけますよう最後にお願いをしたいと思いますが、もし何かあれば一言いただいて、私の質問を終わりたいと思っています。
○国務大臣(岸田文雄君) まず、御指摘のUNOPSの第三者民間監査法人の選定につきましては、外務省が主体となって選定するべく協議を進めたいと存じます。そして、全体についての御指摘につきましては、御指摘のとおり、是非、この運用の透明性、公平性を確保するためにしっかりと努力をしていかなければならないと考えます。
引き続き、御指摘を踏まえながら努力をしていきたいと思っております。
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国民の皆様の血税だからこそ、国会は厳しい監視の目を政府に向けなければならないことは当然です。また、「気前のよい」日本が甘く見られて、次から次へと一部の国連機関の「食い物」になり、血税の垂れ流しがなされてはなりません。だからこそ、不正が判明したときには厳しく対応し、ひいてはODAへの国民の皆様の信頼を再構築する必要があると考えており、小生としても今後もしっかりと監視をしていきたいと考えています。