皆様お晩でございます!
久し振りの投稿になります。
大室建築です。
昨年は定期的にブログを更新する事が出来ませんでしたので、昨年手掛けた物件を数回に分けて紹介してゆきたいと思います。
先ずは、昨年の9月に東北芸術工科大学の美術科の教授のつじけい先生が、以前公立大学の敷地内に製作した作品の補修を手伝った現場を紹介したいと思います。
きっかけは、建築組合で知り合った方が、大工を辞め公立大学に勤務していて、その方から弁柄について色々相談にのったり、アドバイスした事でした。
通常弁柄塗りは、一般の住宅の木製の塀や社寺建築のお堂や塔の木部の塗装、そして鳥居などの丹塗りに繋がって行きます。
基本的には、木部に塗装した後揮発性の有るアマニ油などの油で仕上げます。
今回の依頼は、つじ先生が以前製作された作品が経年と共に色が褪せてしまい、屋外展示という事もあり傷みが有ったので、補修ついでに、以前から「日本の赤」に興味を持っていたので、作品に弁柄を塗りたいというものでした。
下から3〜40cmはカビの様なものがしみ上がり、剥がれも有りました。
数種類の塗料や弁柄を学芸員の方とテストしてみました。
下塗りにウレタン塗装をした様子です。
作品の表面は木質では無かったので、学芸員の方と試行錯誤して下塗りを施し、その上に弁柄を塗って行く事にしました。
天気が悪く、気温が下がって来たので、膠によって弁柄自体が固まってしまうのが大変でした。
浸透系の木質などでは、あまり膠を濃くしなくても定着するのですが、今回は下地が浸透系では無かったため、膠を多めに配合し膠の粘着力で定着させるしか有りませんでした。
下塗りにウレタン塗装をした様子です。
作品の表面は木質では無かったので、学芸員の方と試行錯誤して下塗りを施し、その上に弁柄を塗って行く事にしました。
天気が悪く、気温が下がって来たので、膠によって弁柄自体が固まってしまうのが大変でした。
浸透系の木質などでは、あまり膠を濃くしなくても定着するのですが、今回は下地が浸透系では無かったため、膠を多めに配合し膠の粘着力で定着させるしか有りませんでした。
普段「弁柄や胡粉を塗って下さい」と言う依頼があまり有りませんので、この様な大断面に弁柄を塗れて、良い経験になりました。
つじ先生はじめ、公立大学の学芸員の皆様、大変お世話になりました。有難うございました。
それでは また。
PS
作品は公立大学国際芸術センターの敷地内の森の中に屋外展示されているので、雪が解けたら一度散策してみてはいかがですか?