新しいお話始めますおねがい

こちらのお話、Be with youシリーズの大宮さんになっておりますので、読んでいない方は先に読んでいただけたらラブ






大宮妄想小説です

BL要素含みます

パラレルです







side O






「智、俺、21日からゼミの研修で教授の家に行ってきますね」





「教授の家って?」





「少し郊外にあるんで、泊まりになるんですけど、クリスマスイブの午前中には帰ってくるから」





和から聞いたゼミの研修の話。


和は、俺が犬になる事を知ってから、犬に関する言い伝えや物語、歴史について調べ始め、ゼミもそういう怪奇現象、不思議体験といった非日常な内容を扱うものを選択した。



今回は教授の家に大量の古文書があるらしく、それを調べに行くという。

ゼミ生みんなで教授宅に泊まらせてもらうらしいが……。



和から目を離すのが心配過ぎる。

和は自分では気づいていないけど、色艶を増して、男女問わず虜にしている。

大学では俺が目を光らせているけど、ゼミの研修までは無理だ。



それに……、教授。



俺は教授をあまり知らないけれど、大学で和と話している教授を見た事はある。

優しげな笑顔の紳士的な人だと思う。


でも和を見つめる視線が……。

いやらしいという訳ではないんだけど、何かを秘めたような視線で、少し引っかかっていたんだ。



そんな心配な気持ちが表情に出たんだと思う。





「大丈夫だよ、潤くんも一緒だし」





そう言って和がふふっと笑った。


濃ゆい顔立ちの彼を思い出す。

確かに、あいつは正義感も腕っ節も強そうだし、ああ見えてネコだから安全そうだ。


第一、ゼミの研修だから行かないと単位に響くよな。

単なるヤキモチみたいなもので和を縛りつけておくわけにもいかねぇし。





「ん、分かった。気をつけて行ってこいよ?」





渋々了解と伝えた。




「ただ、和が帰ってくる頃には半獣状態だろうから、帰ってきたら覚悟して」





「うっ……、はい……」





目元を朱色に染めて頷く和が可愛すぎて、ぎゅっと抱き締めた。





「でも……、夜は買い物した後に外食するんでしょう?」





そう、クリスマスイブの夜は2人でお互いのクリスマスプレゼントを選ぶために出掛ける。


プレゼントの他に俺は誕生日に破いてしまったモコモコ部屋着を、再び和に買おうと思っているけど、それは和には内緒。


で、その後に外食して帰ってくる予定になっていて。

もうディナーは予約しているんだ。





「夜までには人間に戻ってるだろ?あー、でも行けるかは和の体力次第じゃねぇ?」





ニヤッとして言うと、和は更に赤くなって、そして可愛く頬を膨らませた。





「もうっ!智が手加減してくれたら全然問題ないのにっ」




「そんな風に和が可愛いから手加減できねぇの」




膨らんだ頬を撫でると、恥ずかしそうに瞳を伏せて視線を泳がせる。




「もうっ、馬鹿……っ」




言葉の響きも甘くて、俺はその言葉ごと唇を奪った。

あー、本当毎日可愛くて堪んねぇ。







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