✅ 近江治療院 院長ブログ|臨床症例・東洋医学の話

※患者さんの情報は許可を得て、個人が特定されないよう加工して掲載しています。

「卒院」のご報告🍀
1年2ヶ月で声が出るようになり、整体にも勝った話

先日、長くお世話になった患者さんが「卒院」されました。

転勤が決まり、彦根を離れることになったのです。

最後の診療で全臓腑の氣位が全部10.0(最高値)になって終わることができました。今日はその記録を書かせていただきます。

【患者さんのプロフィール】
50代男性・会社員
通院期間:約1年2ヶ月
主訴:声が出づらい・息苦しさ・股関節痛・腰痛

① 初診の状態

最初にご来院いただいた時、この方には複数の悩みが重なっていました。

  • 声が出づらい・喉に引っかかる感じ(ステロイド吸入薬を使用中)
  • 股関節痛(整体に通い続けていたが4〜5日で戻る)
  • 腰痛
  • 息苦しさ(気圧が下がると悪化)
  • 夜間尿

氣脈功で診ると、腎の氣位が低く、肺・心下部も弱い状態でした。長年のデスクワーク、お父様の介護疲れ、そして彦根(琵琶湖周辺)の湿気が体に入り込んでいる印象でした。

② 整体に「勝てた」日

この患者さんは、長い間整体に頼り続けていました。

整体に行くと確かに楽になる。でも4〜5日で戻ってしまう。

なぜか。整体は筋肉・骨格への物理的なアプローチです。一時的に気の滞りは取れますが、「瘀血(血の滞り)」や「痰湿(水分代謝の乱れ)」という根本原因には届きません。

ある日の診察で、股関節の氣位を測ると2.7(危険域)でした。

そこで2本の鍼を使いました。

  • 内関(心包経)への補法:心包の瘀血・気滞が股関節に影響していた → 2.7→5.3
  • 豊隆(胃経)への瀉法:10年以上の食生活の乱れ+琵琶湖の湿気による痰湿を取り除く → 5.3→10.0

股関節の氣位:2.7 → 10.0(2本の鍼で)

触れていない股関節が、腕のツボへの鍼で改善する。これが整体にはできないことです。この日から患者さんは整体に頼らなくなりました。

③ 「実は肺だったか…」という発見

「声が出づらい」という主訴に対して、心下部(胃の上)の氣位を中心に診ていました。

ある日、心下部は10.0(最高値)なのに、声の調子が良くない。

そこで改めて肺経そのものの氣位を測ってみると——2.8(危険域)

「心下部と肺は別物だった」

心下部(胃の上)の氣位が良くても、肺経そのものが弱いことがある。
これが「声の引っかかり」「息苦しさ」の本当の原因でした。

帰経表と引経薬の一覧を確認すると、「桔梗」が肺経の帰経薬・引経薬の両方に入っていることが判明。

桔梗を含む処方(滋腎明目湯)を選び、肺と腎を同時にアプローチしていきました。

④ 膀胱腑病という深い問題

血尿の所見が氣脈功で確認されたため、泌尿器科を受診していただきました。エコー検査では問題なし。

しかし氣脈功で膀胱の氣位を測ると2.2(危険域)。そして手掌診(脈診)に反応がない。

「手掌診に反応しない = 腑病(臓腑そのものの病)」
経絡レベルの問題ではなく、膀胱そのものが病んでいる状態。
鍼灸だけでは届かない深さの問題でした。

そこで選んだのが猪苓湯(ちょれいとう)。

猪苓・茯苓・沢瀉・滑石・阿膠で構成され、膀胱の湿熱を取り除き、止血・養陰の作用があります。

外側からは中極(膀胱の募穴)への灸で、内側からは猪苓湯で。

膀胱の氣位:2.2 → 9.8まで回復✨

「尿の色がましになった気がする」という実感も出てきました。

⑤ 最大の発見——砂糖断ち

治療の終盤、患者さんから驚きの報告が届きました。

「砂糖をやめたら3〜4日で9割良くなりました。カラオケで高音も出ました!」

中医学では、砂糖(甘味の過剰摂取)は脾胃に湿熱を生むと考えます。

砂糖 → 脾胃に湿熱 → 脾胃が弱る → 土生金の阻害 → 肺が弱る → 声が出ない

断糖 → 脾胃の湿熱が消える → 土生金が回復 → 肺が良くなる → 声が出る✨

氣脈功の数値でも明確に出ました。

部位 断糖前 断糖後
🫁 肺 2.8(危険域) 9.2 ⬆️
🫘 腎 2.7(危険域) 7.4 ⬆️
💧 膀胱 2.2(危険域) 6.8 ⬆️

ちなみにこの患者さん、「小麦粉は断ってみたけど変化なかった」とのこと。

体質によって影響する食材は違います。この方には砂糖がクリティカルでした。自分の体で実験・観察できる患者さんでした。

⑥ 肺年齢が11歳若返った

転勤前に呼吸器科で肺活量検査を受けていただきました。

肺年齢:67歳相当 → 56歳相当に若返り✨(11歳の改善)

肺気腫があっても、鍼灸・漢方・食養生の組み合わせで回復できることが、西洋医学の検査でも証明されました。

「吐く力が弱い」という検査結果も出ていましたが、これは中医学でいう肺の粛降(気を下に降ろす力)の低下。まさに氣脈功で診ていた内容と一致していました。

⑦ 卒院の日——全臓腑10.0

最後の診療日、氣脈功の成績です。

部位 初診頃 卒院日(治療後)
❤️ 心 低値 10.0 ✨
🌾 脾 低値 10.0 ✨
🌿 肝 低値 10.0 ✨
🫘 腎 4.8 10.0 ✨
🫁 肺 低値 10.0 ✨

全部10.0で締めくくることができました。

最後にお渡ししたのは加味平胃散(かみへいいさん)。引越し疲れで脾胃(胃腸)が下がっていたため、「川上から川下へ水が流れるように、胃に溜まった疲れを流して、活力を上に昇らせる」漢方をお別れに持たせました。

⑧ 1年2ヶ月の変化まとめ

  • 声が出づらい → カラオケで高音が出るようになった
  • 整体依存(4〜5日で戻る)→ 整体に頼らなくなった
  • 肺年齢67歳相当 → 56歳相当に若返り
  • 膀胱の氣位2.2(危険域)→ 9.8まで回復
  • 股関節痛 → ほぼ消失
  • 腰痛 → 段違いに改善
  • 気圧変動で必ず悪化 → 台風が来ても「大丈夫」と思えるように
  • 朝立がなかった → 戻ってきた(腎精の回復)
  • べたついた汗 → 普通の汗に

⑨ 院長より——治療を振り返って

この患者さんから学んだことがあります。

「自分の体で実験できる人は、治るのが早い。」

R1ヨーグルトで声が出やすくなると気づいた。硬水の浸透感が違うと気づいた。砂糖をやめたら9割良くなると気づいた。ランニングで足が楽になると気づいた。

全部、患者さん自身が気づいて、私に教えてくれました。

「もっと早く砂糖断ちを勧めれば良かった」というのが正直な気持ちです。でも転勤という区切りのタイミングで最高の状態に持っていけたことは、本当に良かったと思っています。

東洋医学には「薬食同源」という言葉があります。

食べ物は薬と同じ根源を持つ。砂糖断ちで9割良くなったのは、まさにその証拠です。

治療は終わっても、学んだことは続く。愛知でも元気に過ごしてほしいと願っています🍀

【氣脈功(きみゃくこう)について】

近江治療院では、腹診・脈診・手掌診を組み合わせた独自の診断システム「氣脈功」を用いています。氣位を0〜10.0の数値で可視化することで、患者さん自身が自分の体の変化を実感しながら治療を進めることができます。

近江治療院 東洋療法専門院

📍 滋賀県彦根市西今町720-32

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