私にとって夏は、不思議な季節なのです。

 

善きにつけ悪しきにつけ

大きな出会いとか出来事があるのが夏。

 

ここ10年間以上は、

自分の運命とか生き方を変えるほどに

大きなことではないけれど、

善きことばかりなので、

嬉しい限りです。

 

おそらく、

今年最良で最大の出会いになるのでは

と思われることを

2つ書かせていただきます。

まずはCDです。

モーツァルトのピアノ協奏曲全集と
『レクイエム』

ピアニストはマルコム・ビルソン。
協奏曲・レクイエムともに
指揮者は

ジョン・エリオット・ガーディナー
オーケストラは

イングリッシュ・バロック・ソロイツ。

近年のモーツァルトの

ピアノコンチェルトは、
モーツアルト弾きの女王といわれる
イングリット・へブラーにせよ、
日本人でありながら

ヨーロッパで絶賛されている
内田光子女史のピアノなど、

ピアノは

豊かな表現力ときらびやかさ持つ

スタインウェイで
オーケストラも50人ほどの編成と
規模も大きくて、

やはりきらびやかです。

ことにモーツァルトの絶筆である
『レクイエム』
(様々な人が関わって

 完成させられているので、
 色々と事情がややこしいけれども)
にいたっては、
パイプ・オルガンがバックヤードに
添えられたりして、
カール・ベームやカラヤン

(ともに名指揮者)辺りから
やたらと規模が大きく

きらびやかになったのです。

 

実際に、一応原典とされている

『レクイエム』の総譜を見ると、

パイプオルガンで演奏する指示は

どこにも見当たらないので、

明らかにモーツァルトの死後、

どこかの時代で誰かによって

付け加えられたことが分かります。

 

ドイツの名指揮者カール・ベームが

若い頃に録音した

モノラルのCDがありますが、

そのCDではパイプオルガンが

バックヤードで演奏されているので、

1970年代には

パイプオルガンのパートが

加えられていたことがわかります。

このように規模が大きく

響きも華美になっていく傾向は

今なお続いているのですけれど、

その一方で

それに反するような動きがあり、
その第一人者が
ジョン・エリオット・ガーディナーです。



※ ネットからお借りしました。

 

ピアノも現代のそれではなくて
クラヴィーアといわれた
モーツァルトの時代の
いわゆるピアノの前身の鍵盤楽器で

マルコム・ビルソンによって
演奏されています。



※ ネットからお借りしました。

 

この全集のばら売りCDがあったので、
前もって第20番と第21番の版を入手して
早速聴いてみました。

 

ピアノ協奏曲となると

現代では、オーケストラの前面に

ずいっと出て来て

主役の座にいるのですけれど、

 

モーツァルトの時代のピアノとなると、

音量も小さくて頼りなく、

きらびやかさなどもなくて、

無機質なほどに乾いた音がして、

本当にそれで精一杯なんだろうなという

妙な健気ささえ感じさせられます。

 

低音だって

現代のピアノは

堂々たる響きを奏でますが、

おそらく調弦力が弱く

ビシッと張れなかったために、

現代のような力で弾くと

弦がはじけて飛んでしまうような

ビーンという雑音が入るほどです。

 

ですから、

ピアノ協奏曲というのは名ばかりで、

主役の座はオーケストラにあって、

ピアノは

他の楽器と同じように混じって弾く、

というようなニュアンスがあります。

 

 

そういう主役のオーケストラでさえも、

室内楽団よりも

やや規模が大きい感じで、

ティンパニイがやたらと主張します。

 

おそらく、ティンバニイが

オーケストラの演奏状態とか

速さを崩れないようにする役目を

担っていたのではないかというのは、

 

ピアノ協奏曲だけでなく

交響曲も、

もちろん『レクイエム』でも

如実に見受けられます。

 

今回出会った

モーツァルトのピアノ協奏曲全集も

『レクイエム』も

オーケストラも、

オーケストラというよりも
室内管弦楽団に近い規模で、
『レクイエム』も

モーツァルトの時代の音で
見事に再現されています。

現代のような優れた録音技術も、
もちろん撮影技術もなかった時代、
自作自演をしていたモーツァルトが
どんな演奏をしたのかは

永遠に分かりません。

でも、当時の資料に基づいて
当時の楽器と編成規模で演奏することで、
当時どのような響きが求められていたか、
現代に要求される響きにかなえるために、
どのような変遷を

たどってきたのかなどが
手に取るように分かります。

ちなみにこの全集は廃盤になっています。
amazon サイトでも中古品として
28,000円からの値で取引されています。
(新盤の価格は24,000円ですが、
 もう手に入りません)

が、めちゃくちゃタイミングがよくて、
9,000円弱で入手できました。
早速中味を確かめましたが、
使用感はあるものの、
何ら問題はありません。

さあ、どの曲から聴きましょうか。

2つめは、

やはりモーツァルト関連なのですが
この2冊の書籍との「再会」です。



 

 

実は初版発刊が2006年と2007年で、
おそらくこの年に

購入したものと思われますが、
私が読んだ形跡がなくて、
ずっと本棚に忘れられていました。

生徒さんの夏休みの宿題で、

ナンでも良いから何かの歴史について

調べてきなさいというのがあって、

どんな歴史がよいかという

相談を受けたのです。

 

歴史と言えば真っ先に浮かぶのは

織田信長、豊臣秀吉、徳川家康、

坂本龍馬などなどですが、

歴史なら

ナンでも良いとのことなので、

いっそのこと、

トイレの歴史とか・・・。グラサン

 

あるいは、カレーライスの歴史、

うどんと素麺と冷や麦の歴史なんていう

変わり種でもエエやんという話になり、

塾舎の本棚に数多ある本を見ていて、

「ピアノの歴史」もエエな

ということになり、

その本をまさぐっている最中に

偶然再発見されたのが、

この2冊でした。

 

偶然とはいえ、

ものすごくタイムリーな「再会」で、
今ちょうど知りたいと思って
ネットで探し回っていた内容と

合致する書籍が
こんなにも近くにあったなんて、
という形で「再発掘」されたものです。

ことに『レクイエム』にまつわる
ややこしい事情が詳しく書かれていて、
スキャンダラスな一面はあるもの
全体的には一応

論理的に展開されているので、
資料として読むに耐えうる書籍です。

こういうのを目の当たりにすると
うずうずしてくるのですけれど、
その度に、やっぱり元は音楽屋であり、
今なおそうであることを

再認識させられまする。

 

 

 

 

 

 

 

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