今でも時々、こんな形で卒塾生が

訪ねてくれることがあります。

「先生、楽譜の読み方と書き方を

教えて下さい。」

こういうパターンは大抵は男の子です。

中学生のときは

「君は音楽は聞かへんのん?」

と尋ねるワタシの言葉を

振り払うかのように、
 

「音楽なんかショーモナイ!」

とか、

 

「音楽なんてやかましいだけやん!」

と言っていた子ほど、

何がどこでどないなったんか、

おそらく、どこかで転んで

頭の打ち所があったんやろな~

としか思えないような

台詞(せりふ)をのたまうのは、

これ如何に?

「どういう風の吹き回しなん?」

「いや・・・それが、 

  センパイにバンドに

 引き込まれて・・・。」


「先生~、オレ、

  バンドでキーボード任されて・・・。」

「ベースギターの

  あの低音のインパクトに

  ヤられてしまって・・・。」

ほうほう、ウーファー(重低音)に

魂を奪われたとな?

「先生、パイプオルガンの曲の

CDって持ってはりますか?」

「クラッシック音楽なんか

 一生聞かへんわ! とか 

 叫んどったよな~、確か。」

 

事情を聞けば、

あの重低音に心を奪われたとかで、

ベースギターで再現できないか

試してみたいとか。

理由は千差万別ですが、

中学生のときは、

「音楽なんかナンであるねん!」

と言っていた子ほど、

バンドに誘われ、

エレクトリック・ギターを手にした瞬間、
何かが降臨するのでしょうか、

どハマりするのです。

そこでハタと気づいくことは、
これ。

「オレ、楽譜、読まれへんやん! 

 全然分からんし!」滝汗

それでもCDなどを聞いて

一所懸命に音を探してコピーする。

すると、もうひとつの

大問題が浮上します。

「オレ、楽譜、書かれへんやん!チーン 

 読まれへんし、書かれへんし、アセアセ

 どないすんねん!」滝汗

ナンでこんなことが起きるのか、

ずっとナゾの部分がありましたが、

最近なんとなく解けてきたのです。

ちょっと難しい話になりますが、

お許しを。

明治政府の富国強兵政策に

由来するのが、

現在の小中学校の

音楽の教科書なのです。

 

教育の大切さを頓(とみ)に
感じた明治政府が施行した学制。

その中に音楽教育も

含まれていました。

大日本帝国憲法は

ドイツを見習って立憲されたことは

ご周知の通りですが、
音楽もまた厳格なドイツ音楽と

その教育法を基礎に、

子どもたちに授けられたのです。

要するに、

小中学校の音楽の教科書の中味は、

感覚重視の音楽ではなくて、
「音楽学」という学問なのです。

 

ところが、実際の音楽、

特に商業音楽は、

そういう作曲法を知らないけれど
感覚的に作られているものが

圧倒的に多いのですね。

勿論そうでないのもあります。

例えば、

サザンオールスターズの曲は
メチャクチャ厳格に

作曲されていますから、

聴き入れば聴き入るほど

おもしろい!チョキ真顔

 

コアな聴き方をすればするほど、

すごい曲作りをしているのが

分かってきて、

ホンマにおもしろいのです。

でも、こんなのって、

学校の教科書レベルでは

到底分かりません。

教師時代に、試しに、

ポップスを使って曲を分析したのを

生徒の前で授業してみたら、

大受けしたことがあります。

授業終了後、

「先生! 今日の授業最高! 

 めっちゃおもしろかった~!」

「毎回こんな授業やったら、 

 音楽絶対に好きになるわ~!」

という感じで、意外なものでした。

自分もかつては音楽の教師で

教科書を使っていた身ですけれど、

こんなこというのは

気が引けるとはいえ、

今の音楽の教科書の内容が、

生徒が本当に知りたいと

思っていることと

如何にかけ離れているか、

ということなんですね。

だから「音楽キライ」なのです。

いえいえ、

それは音楽が嫌いなのではなくて

「音楽の授業がおもしろくない」
だけのこと。

高校生になり、何かをきっかけにして
あこがれのバンドの曲を

一所懸命コピーしようとしたとき、

その曲の作り方の凄さを

初めて肌で知ることになるのです。

「君も大人になったな~。」照れ

とか言いながら、

基礎から楽譜の読み方を教えると、

あれよあれよという間に

全部覚えて帰って行きます。

教科書は基礎の基礎。

音楽の授業はおもしろくないかも

知れないけれど、

必要なのです。

もとい、必要になってくることが

あるのです。

学校で学ぶ勉強のほとんどは

基礎の基礎。

音楽の授業と同じように

退屈かも知れないけれど、

将来思わぬところで
役に立つことが多いですよ。

そういうスタンスで

音楽の授業を受けて下さいね。

だから、副教科と言わないで下さい。

「副」は「そえる」とも読みます。

受験5科目とは別に

「副教科」と言われることが多いし、

このように言う人が圧倒的に多い。

音楽、技術家庭、体育、美術は

受験科目の「副(そ)えもの」

ではないのです。


この4科目は、ほとんどの人は

受験には関係ないけれど、

将来大人になったときに

教養として現れるのです。

 

教養はあなたの立ち居振る舞い

そのもでもあるということに

お気づきですか?

 

 

 

 

 

 

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