最近、ちょっと
引っかかっている言葉があります。

「抑(そもそも)」
(「抑も」と表記する場合もあり)

地味に難読文字っぽいので、
基本的にはひらがなで表記します。

〈用例 ①〉
「この話にはそもそもから反対だった」
「目的がそもそも違う」

〈用例 ②〉
「そもそも人間というものは・・・」

用例①の場合は名詞として扱い、
「最初」・「発端」という意味になり、
「いったい~」という副詞的にも
用いるそうな。

用例②の場合は接続詞として
改めて説き起こすときに使い、
「いったい」・「だいたい」・「さて」
という意味になるそうです。

そういえば、時々耳にするのが
こういう表現、

「そもそも論」 

「ものごとの始まりや、
問題の起きた理由などに
立ち戻って論じること」

という意味の言葉で、
そうした論調を指す場合もあります。

「“そもそも論”になるが、
もっと注意深く行動していれば、
こんなことにはならなかった」

なんていう表現になるのだそうですが、
使うタイミングによっては
相手にケンカをふっかけかけない
「要注意言葉」の響きがあるような
感じがします。

いわゆる「売り言葉」ですね

例えば、「だいたい」とか
大阪弁だと、
「前から言おうと思ってたんやけどな」
という表現です。

「だいたいお前はな・・・」

相手の口から
冒頭にこういう言葉が飛び出すと、
思わず身構えてしまいそうになります。

「だいたい君の
その考え方(感覚)がおかしいやろ?」

「そもそも君のその考え方(感覚)が
おかしくないか?」

みたいな感じで、
どうしても否定的な
「文の結び」を呼び寄せてしまうように
思えてなりません。

生徒さんとの会話で、
とくに生徒さんから
「そもそも」という言葉を
聞くことは少ないですね。

そのことで言うと、
おもしろいのは「若干」という
言葉です。

中学2年生辺りから
急に使い始めることばのひとつです。

結構難しい言葉なのに、
どこで覚えてくるのかしら?

「宿題が若干出てます」なんて
「少し」という意味で
使っているようですが・・・。

確かに「少しばかり」という意味なので
間違ってはいないんですけれど、

「微妙に」という意味合いで
使うことが多いのと、
どこか角張ったことばなので、
さて、どうしたものか・・・。

ちなみに、
「そもそも」という言葉を
多用した人物がいます。

安倍晋三氏です。

国会答弁の場でも
「そもそも」を使用した発言を巡り、
話題になったことがあるくらい
多用なさったそうです。

このとき、安倍氏は「そもそも」を
「最初に」という意味ではなく
「基本的に」という意味で
使われていたと推測されますが、

「そもそも」が持つ意味の中に、
「基本的に」という意味やニュアンスは
そもそもないそうです。

ところが、今日、
高校生君の古文を指導していて、
使用しているテキストの中に、

「和歌というものはそもそも
(   )思う対象で詠むのである。」

という、筆者が考える
和歌の本質を示した説明文の
空欄を埋める問題に出くわしました。

なんというタイムリーな・・・!爆  笑

で、

① 面白く ② 互いに
③ 当然と ④ 切なく
⑤ 誇りに

・・・の中から適切なものを
選べという問題です。

答は「① 面白く」。

ということは、この「そもそも」は
「基本的に」とか「もともと」という
否定的でない意味になるから、
安倍氏が発した「そもそも」は
正しいことになるのでは?

う~ん、「そもそも」の
そもそもの意味が分からん・・・。

悩めるジュクチョーでございます。チーン

 

 

 

 

 

 

 

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