※ ネットからお借りしました。

 

昨日の午後2時30分ごろでしょうか。
自宅のすぐ前に四つ辻があります。

北の方に進むと某私立の学校があり、
登下校時刻は随分と賑やかです。

東に進むと大通りがあり、
その対岸に大きな公園があります。

西へ進むと商店街。

この商店街に行くには、
もう1本あって、
こちらの方は路地になっています。

昨日は珍しく自転車に乗らずに
鍼灸院まで歩いて行って

施術を受けらあと、
買い物を済ませて
帰ろうとしたときのことです。

ときおり日が差すものの
珍しく寒さを感じたので・・・

・・・万年肩凝らしなので、
冬でも薄着なのです。
仕事から離れると、
インナーの上に半袖のポロシャツ、
その上からウィンドブレイカーを
羽織って外出することが多いのです。

・・・風のある日には
東から西へ吹き抜けることが多く、
公園へ抜ける
(一応の)メインストリートで
自宅に戻るためには、
この向かい風に逆らう必要があります。

ところが、もう1本の路地の方は
比較的風が吹き抜けないのです。

それでも大抵は
メインストリートを選ぶのですが、
その日はなぜか
路地の方を選びました。

今日塾に来て下さる
生徒さんそれぞれのお顔を思い浮かべ、
仕事の内容を脳裏で整理しながら
ゆっくりと
歩を進めようとしたときのことです。

50mくらい先に、
何かが横たわっていました。

その「何か」の上を見ると
洗濯物が干されています。

この時期の洗濯物ですから、
厚手のものになります。

何か落ちたのかな?

ご近所さんなのですが、
ご挨拶をする機会にも恵まれないほど
滅多にお目にかからないお宅なので、
知らせて差し上げるのが是か非かを
考えながらゆっくりと歩を進めました。

何かおかしいな・・・
洗濯物にしても変だな・・・。

近づくにつれて違和感は増大します。

そして数メートル手前まで来たとき、
それはネコでした。

いつも仕事帰りに立ち寄る
多米社(ためしゃ)に灯籠があります。

その灯籠には
灯火をするための器具もないため、
空洞になっているのです。

その大きさが、
ノラネコが丸まって雨宿りをするには
ちょうど良い大きさなのです。

この神社の境内を縄張りにしている子は
4匹か5匹いるようです。

その中にひときわ大きい子がいます。
尾が短くて毛の量が多く
夜間に出会うと黒に見えるのですが、
実際は濃い茶色。

小降りの雨の夜、
季候が良くなった夜になると、
この灯籠の「空洞」にいる子です。

大柄な子なので、その「空洞」から
はみ出て今にも落ちそうな

雰囲気を漂わせていますが

器用に丸まり

収まっているのを見るにつけ、

ネコの柔軟性には羨ましい限りです。

大抵のネコであれば、
そっと鳥居をくぐるワタシを見ても
私のわずかな気遣いもむなしく
すぐさまどこかに逃げますが、

この子は逃げないで、
こちらの様子をうかがっています。

その表情には
警戒はしているけれど
敵意のような厳しさは感じられず、
むしろじっと見ています。

それはまるで、
神様がワタシの様子を見ているよう。

その子でした。

でも、様子がおかしいのです。

間近に来て、
異様な様子が目に飛び込んできました。

今しがたのようです。
横たわるその子の先には
細い二筋の鮮血・・・。

まだ乾きかけてもいません。

呼ばれたかな・・・。
そう感じました。

「どこへ行く?
 すぐに天に昇るのか?」

「それもいいけれど、
 もうちょっと
 あの神社にいたいかな。」

「そう・・・。」

そういう会話を
脳裏でしたような気がしました。

ほんの一瞬の出来事です。

本来ならすぐにでも
役所に連絡をするのが筋なのですが、
私はこういう場に出くわすと
ときには一瞬で
何かにとらわれるのです。

憑依体質ではないと思うのですが、
今回は完全に呼ばれたので・・・。

呼ばれたというのか、
自らでは
もうどうすることも
出来なくなった瞬間から

自分の意志を伝える
テレパシーのようなものを
この周辺に発していたのを

たまたま私が
キャッチしたのでしょうか。

とらわれるという恐怖から、
そのまま通り過ぎてしまった
自分の卑怯さに
強い後ろめたさを感じながら
帰宅しました。

ノラはノラ。
ノラにはノラのプライドがある。

とはいうものの、飼い猫であれば、
少なくともこのような最期には
ならなかったろうに・・・。

車にはねられた?
いや、ここは路地、

すぐそこに小さな駐車場はあるけれど、
撥ね飛ばして絶命させるスピードを
出せるほどの距離の余裕も

幅の余裕も到底ありません。


そこが腑に落ちないな・・・

そういうモヤモヤが残っています。

1時間ほどして、
路地に面した自転車置き場に行くと、
そこにそのネコの姿はなくて、
洗い流された跡だけが残っていました。

不思議なのは、
そのネコの想念すら
残っていなかったことです。

私が憑依体質ではないかと感じるのは、
想念を敏感に感じることが
多いからです。

(自分で思い込んでいるだけかも

知れませんが。)

こういうのもまた霊感なのかしら?

その夜、いつものように
お詣りをしました。

あ、いるいる。

拝殿の代わりに鎮座する石塔の前に
行儀良く前脚をそろえてお座りをし、
鳥居をくぐる私をじっと見ています。

「ここに連れてきてくれて、
 ありがとう。
 もうしばらくここにいさせてね。
 気がすんだら逝くからね。」

これまでに
餌を与えたことすらありません。

神社の境内やこの路地で、
あるいは小さな駐車場で
よく見かけただけです。

でももう4年ほど見ているので、
立派なご近所さん。

さびしいなぁ・・・。

 

 

 

 

 

 

 

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