昨日のエントリーで、「開始直後にトイレ」と言うことを書きました。
なぜそんな間抜けなことになったのか?
それが、表題の通りです。
私の会社は新宿駅の近くにあるので、
東京マラソンの時は、まずそこに落ち着いて朝食やトイレをすませ、
荷物やウェアの最終チェックをします。
会社についたのが7時頃
そして、会社を出たのが7時半前。
会社から都庁まではゆっくり歩いて10分。
アップがてらに小走りだったので、たぶん7時40分前には会場近辺についていたでしょう。
会場に近づくと徐々に増えていくランナーの密度。
そして、聞こえてくるオフィシャルアナウンス。
否が応でも気分は盛り上がってきます。
そんな、盛り上がる気分の中で事件は起きました。
オフィシャルのアナウンスは告げます。
「駅近くの第1ゲートは込み合っていますので、このまま第4ゲートにお進みください。」
アナウンスに逆らう必要も無いので無意識に本当に無意識にそのまま前へ進みます。
ものの100mも歩いたところでしょうか。。。
今度は、「第4ゲートは込み合っているので第1ゲートにお回りください」のアナウンス。
もちろん、これもオフィシャル。
頭の中に「?」がいっぱい飛び交います。
しかし、もうすぐ目の前には荷物預けのトラックが見えています。
30mくらい先でしょうか。。。
ゲートとやらの正確な位置がわかりませんが、ここからそんなに遠くはないはず。
混んでもたかがしれているだろうとそのまま進みました。
これが、大間違いでした。
人の密度は、トラックが近づくにつれてどんどん増して流れが遅くなります。
やがて、トラックをほんの数メートル先に見るところで、ついに流れは完全ストップ。
すぐ左横を人が通り抜けていきますが、それはどうやら柵の向こう。
つまり、第1ゲートとやらを通った人でしょう。
それらの人がすいすい動くのに、こちらはまったく動かない。
そう・・・ずるずるでも動けば状況は違ったのでしょうが、まったく動かないのです。
どう考えても、あれは人を止めていたようにしか思えません。
ただ、こちらも時間は十分にあるのでのんびりかまえていました。
かまえていましたが・・・
そのまま時は5分10分と無意味に過ぎていきました。
約20分が経過し、8時を回った頃、さすがにあたりが騒然としはじめます。
もちろん、私もちょっと焦りだしました。
怒号が飛び交いはじめます。
「なぜ入れないんだ!」
「このままじゃ間に合わないだろう!!」
「俺はこの日のためにどれだけ練習をしてきたと思っているんだ!!」
どれをとってももっともですが、警備員もボランティアも応え用がありません。
ただ、「順番ですのでしばらくおまちください」としか言えません。
それ自体は仕方の無いことです。
そして、それら怒れる人々の神経を逆撫でするように公式アナウンスは
「荷物預かりは8時30分までです。それまでに預けないと受け取りません」
「ブロックへのゲートは8時45分に閉まります。それ以降の人は最後尾に回ってもらいます」
と繰り返します。
これを聞くたびに周辺の温度が上がっていくようでした。
「誰かがあのアナウンスやめさせろ!」と叫びます。
叫んでも仕方の無いことですが、場の空気はそれくらい悪くなっていました。
とうとう、号を煮やして横の柵を乗り越えて突破する人が現れます。
しかし、それは数人がかりの警察官に止められて柵の内側に戻されます。
平和な日本の風景ではありません。
いったいに何がおきているのか?
ここは、タイの政治デモの現場か何かか??
そんな雰囲気が、最高潮に達しただした8時20分頃。
ようやく、止められていた入り口が開放されて人々が流れ出しました。
殺到するように人が押し出されます。
ニヤニヤしながら警察官が、
「押し合わないで~。こんなところで怪我したらもったいないよ~」
とからかうように上から言います。
さすがにこれにはちょっとカチンと来ました。
こんな押し合う状況を作ってしまったのは、間違いなくあなた達だと。。。
結果、トラックに移動しながら、ウィンドブレーカーを脱ぎ。
それを預け袋に突っ込み。。。
預けたのはギリギリ・・・もしかしたらアウトの時間だったかもしれません。
そのまま、トラックとは離れたブロック入り口まで走る!
やっとの思いで、スタート位置に着いたのは閉鎖5分前。
会場で、最後にもう一度行こうと思っていたトイレにはけっきょく行けませんでした。
判断ミスと言えば、判断ミスなのですが
まったく想定外のゲートブロックだったので、かなりがっかりです。
さて、ではいったいこのゲートでは何がおこっていたのでしょう?
最前列ではなかったので察するだけなのですが、
どうも、我々が止められていた右側・・・
つまり青梅街道方面からの人の流れが多いので、それとの合流による混乱を避けるために一時的(?)に人の流れを止めていたような雰囲気です。
しかし、実際にはあんな時間まで止めてしまっては、本当にスタートに間に合いません。
結果、本来の趣旨であったはずの「荷物チェック」は行われず、本末転倒の結果となりました。
しかも、その場所の状況を報告し連絡し相談し、判断を仰ぐ指揮命令系統。
これに混乱があったように思われます。
正しく、あの状況が伝わっていたら、もう少しましな対応ができたと思います。
結果としてそこにはニヤニヤした警官と「私たちは言われたことしかできないので」と困ってしまうボランティアスタッフしかいなかったのです。
ボランティアスタッフが勝手に判断をはじめたらそれこそ混乱する可能性があるので、それはそうとうハイリスクな英断が必要で、それを求めるのは無理でしょう。
彼らや彼女達に罪はありません。むしろ怒号に曝された被害者でしょう。
警官や警備会社の社員もニヤニヤ笑いを浮かべていたずらに反感を買うのは別として、止めるという行為そのものは職務に忠実です。
では、だれが?
おそらく、あそこでインカムで連絡を取っていた現場責任者。
そして、さらに全体をコントロールする現場総責任者の対応が後手に回り過ぎたのです。
指示連絡系統の欠落と状況判断能力の欠如。
まあ、最悪のパターンでした。
私の後ろにおそらく数百人はいただろう人たちがどうなったのか気になるところです。
私ですらギリギリだったのです。
テロ対策は言うまでもなく重要です。
それこそ、オリンピックではこの比ではないでしょう。
でも、あの日のような対応をしていては、日本は世界に恥をさらすことになります。
36000人の内のほんの数百人の出来事と片付けず、ぜひ何がおきたのか検証して欲しいものです。
なぜ、あそこでゲート封鎖をしたのか?
その判断の根拠と結果は正しかったのか?
それをしなければ、同じようなことが繰り返されます。
主催者側の反省に期待します。
・・・思うに
当たり前の話かもしれませんが、人数の多い大会ほど加速度的にトラブルが増えている気がします。
しかも、それが首都圏の大会に特に多いような気がします。
(奈良は、大人数ですがスタッフの対応はたいへんきめ細やかでした)
放っておいても人数の集まる首都圏の大会。
ブームに乗って、主催者側におごりは無いでしょうか?
「走らせてやってるんだから」的な思いは無いでしょうか?
もちろん、我々ランナーは走らせていただいているのです。
けっして「走ってやっている」のではありません。
だからといって上から目線に立ってはいけません。
お互いが、お互いの気持ちを考え、
「走りにきていただいている」「走らせていただいている」
と思いやる気持ちがあれば、もっと大会の混乱は減ると思います。
東京マラソン、今年は観客が少なかった気がします。
チームの打ち上げの場では、それを否定したもののやっぱり少なかったです。
それは、ランニングに興味が無い人がイベントに厭きだした証拠です。
「何も寒い中。。。毎年同じように。。。」
と言う人が出てきたということなのです。
ランニング文化の裾野の広がりは、止まりつつあります。
この止まりつつある裾野の広がりを少しずつでも地道に広げられるか?
それとも削り取ってしまうか。。。。
それを決めるのは、ランナー1人1人であることは間違いありません。
しかし、もっと重要な要素を握っているのが、東京マラソンのような大きなイベントを主催する人々や大きなクラブの主催者だと私は思います。
ぜひ、もう一度ブーム前の謙虚な姿勢に戻って、混乱の無いスムーズな運営がされるよう来年以降改善されることを祈ります。