目標設定の話です。

次の2つの目標設定の文章でどちらがしっくりくるでしょうか?

 

・これから先、もっと良い暮らしをするためには何が必要か

・今手にしているものを失わないためにはどうすればよいか

 

もっと良いものを得る事と、今あるものを失わない事、どちらも重要です。しかしみなさん重心が多少どちらかに偏っています。

仕事や人生における一番大事な目標は、ある人にとっては「向上する事」ですが、他の人にとっては「安全であること」なのです。

心理学ではプロモーション(促進)フォーカス・レンズ、プリベンション(予防)フォーカス・レンズと呼ばれています。

 

「促進」に焦点が合う眼鏡をかけている人は、達成、報酬、成功などの機会に目が留まります。経済の言葉で言えば「利益を最大化し、機会を逃さない」ことだと思っています。

 

一方で「予防」に焦点が合う眼鏡をかけている人は、回避すべき危険や、果たすべき責務に目が行きます。「損失を最小限に抑え、現状を維持する」ことが人生において一番大事だと考えています。

 

これはどちらが良い・悪いといった話ではなく、世界をどのように見ているのかと言った話になります。

ただ、目標に達するための方法が違うのです。

「促進」レンズの人は賞賛によってモチベーションが湧きます。リスクを取り、ルールを無視する冒険者です。彼らの目には潜在的利益と報酬と向上することがいたるところに見えるのです。逆に失敗の可能性は良く見えていません。

心がオープンで警戒心が薄く、積極的に多くの可能性を探ります。基本的にイノベーティブです。すでにあるものを守るといった事は無関心です。

 

「予防」レンズの人は批判によってモチベーションが湧きます。上手くいかない時はさっさと手を引きます。慎重で信頼が置けます。ミスをとても嫌がり、仕事をゆっくりと行います。

予防レンズの人は困難に出会うことを予測している為、常に最悪を考えます。

そしてプランB、プランCを考えてリスクを回避します。

 

 

さて、「促進」タイプと「予防」タイプを見て頂きましたが、相手を説得したい場合、タイプ別に言葉をどう選んだら有効かと言うことをお伝えします。

 

「促進」タイプはアイデアを「潜在的利益」や「勝利」と言った枠内で語り、「今よりも良い状態」をもたらす方法ですと説明します。

「予防」タイプはアイデアを「損失回避」や「ミスを防ぐ」と言った枠内で語り、それが「安全と安定を保つ」方法であると語りましょう。現実的に話し、確固とした事実を示して説得します。

 

いつも自分がどっちの言葉遣いを多くしているか、相手がどっちの言葉を好むのかを観察して、説得するためのストーリーを考えましょう。