「ポジティブに考得る事が必要」とか、「ポジティブに考えれば目標は達成できる」みたいな自己啓発書は沢山ありますが、このような楽観思考の全てが正しいわけではありません。

楽観思考は2つに分けて考える必要があるというというのです。

 

引き続き

ハイディーグラント・ハルバートン著

「やってのける」より

ポジティブ思考を深く追求してみましょう

 

分けるべき楽観思考とは

1・「私は減量を成功させることができる。目標としている体重まで痩せられるはずだ」

     →「目標を達成できる可能性」について楽観的に考える

2・「ポテチやケーキの誘惑には負けない。運動も何の支障もなく毎日続けられるはずだ。」

     →「障害を乗り越えられること」について楽観的に考える

 

ほとんどの自己啓発書はこの二つを区別していません。

1・の「目標を達成できる可能性」についてのポジティブ思考は有効ですが、2・の「障害を乗り越えられること」についてのポジティブ思考は逆効果になるからです。

 

1.の方から見ていきましょう。モチベーションに関して、人は成功する見込み(期待)と、その成功によって得られるもの(価値)の兼ね合いによって動機づけがされるという理論があります。(期待ー価値理論)

実際に意欲が高ければ目標達成の見込みも高くなります。

成功を信じる事で実際に成功の確率も高くなります。

 

しかし2・の方に関しては障害を乗り越えられるか不安を覚えている人の方がより達成率が高まるのです。

実験では痩せたいと望んでいる肥満の女性に被験者に原料プログラムに取り組ませます。

その結果、プログラムの開始前に減量できると強く信じていた被験者は失敗するかもしれないと考えていた被験者よりも、平均で12kgも多く減量していたことが分かりました。これは1・の成功をポジティブに信じる事が効果的であることを示唆しています。

 

ただし、この実験では被験者に「減量の困難さ」についても尋ねていました。食べ物を我慢する事を「とてもきつい」と考えていた人は「簡単に我慢ができると考えている人よりも平均で11kgも多く減量していたそうです。

 

不安を感じ、上手くいくか分からない事こそ、私たちが入念に準備をし、さらなる努力をします。

楽に目標を達成できると考えている人は努力を怠ります。そして実際に行動してみて現実が甘くない事を知り、打ちのめされるのです。

このような罠に陥らないためには

「まず達成によって得られるものを想像し、次に進路を阻む障害物を熟考する」というアプローチが最適です。

これをガブリエル・エッティンゲンは目標の「長短比較」と呼んでいます。

 

長短比較のやり方です

1・ノートを用意し、目標や願望を書き出します。これからしたいと考えている事も、すでに行動に着手している事でも結構です。(5kg減量する・起業をする・副業を始める など)

2・目標や願望のハッピーエンドについて考えます。実現した場合などの良い側面を書き出してください。

3・その願望を実現する上で、障壁になると思われることを書き出してください。(コンビニスイーツ、資金ショート など)

4・2回2と3を繰り返します。

 

それでは実際にやってみてくだしゃあ