みなさんは努力をすれば能力は伸ばせると思っていますか?

それとも努力したって生まれついてのものは変えられないと考えていますか?

 

実はこの二つの考え方のうちどちらを選択するかで、自分の能力が伸ばせるかどうかがある程度決まってくると言います。

 

今回はハイディ・グラント・ハルバートン著

「やってのける」から自分の能力の伸ばし方について抜粋します。

 

次の質問に正直に答えて下さい。

「全くそうは思わない」は1、「その通りだと思う」は6を。1~6の間で当てはまる数字を選んでください。

 

1,人間の知能の程度には個人差があり、大きくは変えられない

2,いくら努力をしても、知能はたいして高められない

3,頭の良さは、生まれつき決まっている

 

出た点数を合計してください。

 

合計が10点以上なら、あなたは「決定論者」です。

合計が9点以下なら、あなたは「成長論者」です。

「決定論者」は頭の良さは生まれつきのもので、基本的には変わらないと考えている人です。

「成長論者」は知能は学習や経験を通じて高められる。年齢問わず高められる能力と考えている人です。

 

決定論者は自分の頭が良い事(あるいは少なくとも悪くはない事)を周囲に証明しようとします。「知能は変わらないもの」と考えている人は、自分の知能の低さを認めたがらないのです。知能が「努力しても高められない」ものならば、それは「高くなくては困るもの」になります。

このため決定論者にとって、知能に関する目標は「自分の頭の良さを他者に証明する事」になります。

 

決定論者は安全な賭けを好み、難易度の高い目標を避ける傾向にあると述べています。

 

成長論者は可能性を信じ、努力をすれば能力を伸ばせると信じているので、その時点での能力の証明にはこだわりません。

挑戦はおそれるべきものではなく、新たな技能を獲得するチャンスになります。

失敗はおろかさの証明ではなく、貴重な学びの場になります。

 

自分の能力を伸ばすにあたって、どちらの考え方が良いかはもうわかりますよね?

なかなかチャレンジできない人は、自分が決定論の思考か、成長論の思考かをチェックしてみてもいいかもしれません。

 

「頭の良さ」は元々の能力だけでは決まりません。

ニューヨークの公立学校の7年生を対象にした実験によると、8週間、週に30分の授業を行ったそうです。

その際一方のグループ(介入群)には「経験と努力によって知能は高められる」という点を強調します。

もう一方のグループ(対象群)には知能は高められるという点には触れません。

 

その結果、対象群の数学の成績が一年を通じて徐々に低下していったのに対し、介入群の数学の成績は向上しました。

 

この研究は努力によって頭は良くなると信じる事が知能を高める鍵であることを教えてくれます。

扉を開く(または閉じる)のは、信念なのです。