最近、ひどく寝付きが悪くなった。
目を閉じても一向に眠気が訪れない。
スマホを触り、また目を閉じ、またスマホを触ったりと、布団の中であれこれ繰り返すうちに午前の時間帯になってしまう。
以前は、娘と布団を並べて床に就くと、9時すぎには眠れていたのだが。
どうせ眠れないのなら、起きてテレビを観るとか、本を読むとかすればいいのだが、その思い切りもつかず、布団の中でゴソゴソしている。
それでも朝までに数時間は寝て、午前5時には起床する。
昼間は不思議と何とかなっているのだが、起きるときは、眠くて仕方ない。そういえば、妻の介護をしていた頃もこんな感じだったのかも知れない。
布団の中で目を閉じていると、過去のことばかり思い出す。
深刻な悩みもなく、翳りのなかった小中学生の頃、あの頃将来、シングルファザーになることなど夢にも思わなかった。
どこまでが、良い人生だったのだろう。
どこから、悲しい人生になったのだろうか。
話が全く変わる。
今朝起きて、半分寝ボケながら、タブレットで少年ジャンプの電子版を読み、愕然とした。
HUNTER×HUNTERの最新話で、幻影旅団の過去話が描かれていた。「始めはただ欲しかった」の続き。20年近くを経ての、まさかの掲載。これが今日読めるとは、夢にも思わなかった。
当時、そのシーンのことを、妻とあれこれ話したのが懐かしい。
最新話の、フィンクスとフェイタンのカットが最高で、二人を推していた妻がもし生きていたら、同人誌を作りかねない魅力だと思った。なんのこっちゃだが。
さらに話が変わる。
夕刻、風呂上がりに娘が、この本を持ち出してきた。
シャーペンと比べると分かるが、こういうサイズの豆本だ。
中は無地のノートになっており、好きなように書き込むことができる。
娘を妊娠していた頃、妻が、これに日記を書いていた。書き出しの日付は2012年8月2日になっている。
娘の誕生予定日が10月15日で(実際には数日早まったが)、妊娠中の日記を書き残して、将来娘にも読ませたいと考えたようだった。
白消しのところには娘の名前が描かれている。
かなり早い時期に名付けていたので、日記の冒頭から普通に名前で呼びかけている。
「3人で幸せならそれでいいよね」
が、悲しい。このページに限らずあちこちに「3人で幸せに」と書かれている。
決して大それた願いでもなかったのに。
最近、過去ばかり思い出していること、HUNTER×HUNTER最新話の、まさかの過去話、妻の豆本を久しぶりに読んだこと。
過去に引き寄せられるいくつかの出来事があって、気持ちだけがますます過去に飛んだ。しかし飛ぶのは気持ちだけで、実際に時間が巻き戻ることはない。
過去を強烈に念じて、その思いでタイムリープする、「ある日どこかで」って映画があったな。
小林泰三の「酔歩する男」は、眠りに落ちると無限にタイムリープするホラー小説だった。
何かの間違いでいいから、過去に戻れないものかと思う。