興味がある方がいるかどうか分からないが、「娘と算数」シリーズの続きを書く。前回までに、今年8月頃までのことを振り返って書いたが、今回は、9月頃の内容になる。


百ます計算で、計算速度の底上げを狙っているうちに、学校の算数が「割り算の筆算」へと進んだ。


娘の宿題を見ると、この割り算の筆算が、壊滅的にダメであった。数問解くと、半分は間違っている。小学生の頃の自分を思い出しても、ここまでひどいことはなかったように思える。どこでつまずいているのか詳しく見てみた。


例えばこんな問題。



567と64を比べて、商の8を立てるところは出来ている。
ところが、64✕8を、482などと間違えているのだ。

64✕8だけを取り出して解かせてみると、筆算をして何とか正しく解ける。その様子を見ていて、察しがついた。

「4✕8=32の、繰り上がった「3」をメモするスペースがないから、間違えるんだろう?」

割り算の筆算は、問題の数字の下に隙間なく計算を書いていくので、広々とメモしながら解くことができないのだ。

「そうかも知れない」

いくつか問題を解かせてみると、予想通り同じところで間違えた。

「メモに頼るんでなく、繰り上がった「3」を、頭の中に思い浮かべておいて計算するんだよ」

「思い浮かべたままだと計算できない」

「できるよ。パパは、頭の中の左の方に「3」を思い浮かべておいてやるよ」

「何で左なの?」

「真ん中に置くと、邪魔で計算できないじゃない」

「何で右じゃないの?」

「知らん。ごちゃごちゃ言わずにやってみなよ」

頭の左に思い浮かべておくという方法をやらせてみたら、何とか出来たようで、娘は嬉しそうに、「出来るようになった!」と言った。

よし、と思い、ネットで割り算の筆算のドリルをダウンロードして解かせてみた。

最初より多少マシになったが、かと言って間違いは、なくならない。

例えばこんな問題に引っかかる。誤ったところをよく見てみた。


商の4を立て、17✕4=68を書くところまでは出来ていた。ところが、次の83−68を間違っているのだ。15とするところを25にしている。掛け算、割り算でなく、引き算が原因で間違うとは。

しかしこれも、すぐに察しがついた。

「引き算のとき、上の桁から「1」借りてきたことをメモするスペースがないんだろう?」

「そうかもしれない」

「頭の左に思い浮かべてやってみなよ」

やってみたが、今度はどうもうまく行かない。

「「1」借りておいて、後で「1」を足してるじゃん!」

「頭の中に「1」を思い浮かべている間に、足すのか引くのか分からなくなった。」
 
なるほど。しかしこれは、教え方が悪かった。

「引き算の繰り下がりで「1」を借りてくるときは、例えば8から1を借りた後の「7」を頭に思い浮かべておくんだよ。「1」でなく、「7」な。」

「なんで?なんで引き算のときは、計算後の数字を思い浮かべるの?」

「引き算で筆算するとき、「8」に斜線引いて「7」に直すだろ。借りた「1」をメモするんじゃないじゃん。」

「あそっか!」

やらせてみたところ、これで初めて、数問のドリルを全問正解できた。無論、何回か続けると、ボロボロと間違いは出てくるのだが。

しかし今回、割り算の筆算をあらためて詳しく見て、なるほどと感心させられた。

割り算の筆算は、桁が増えてくると結構な手数を要する。しかも足し算、引き算、掛け算を全部使うことになるし、繰り上がり、繰り下がりも全て正確に計算できなければ、正解にたどりつけない。

それらがある程度、暗算で出来ることが前提になっている。
そりゃそうだ。だから4年生の課題としているのだろう。4年生ならそのくらいは、出来ているのが普通なのだ。

娘が、人並みに計算出来るようになるには、この後、どのくらいのステップが必要なのだろう。これは思った以上に厳しい道のりだなと感じた。

「やっぱりさぁ、公文の算数、もう一回やる?」

「できるかなぁ」

「やってみたい気持ちがあればだね」

「やる!」

9月は、公文で、無料お試しができるサービス期間になっていた。早速、普段からお世話になっている先生にメールし、申し込む約束をした。

9月下旬、娘がコロナにかかる直前のことだった。
次回、「公文算数を再開」に続く。

  • 記事の中の計算式は、下記サイトのドリルから拝借しました。使いやすいドリルを無料でダウンロードでき、いつも重宝しています。ありがとうございます。