暗算のトレーニングをどうしたらいいか。
ネットで調べ、「百ます計算」に行き当たった。

縦10マス、横10マスの左と上に、0~9の数字をランダムに書いて、交差するところで足し算・引き算をする方法らしい。

シンプルで、これならできそうだと思った。
さらに調べると、Nintendo 3DSでソフトがあるらしい。
中古の通販で、送料込み250円ほどで購入できた。



ソフトが届いたのが6月7日。
「百ます計算」というものの、娘の実力では、100マスを一息でこなすのは不可能なので、まずは50マスの足し算から始めた。

途中から記録を残すことを思いつき、スマホアプリでグラフにした。


1ヶ月ほど続けて、やや慣れたので、50マスから100マスに増やしてやらせた。




途中から、引き算も並行してやらせてみたが、こちらは全体に足し算よりかなり遅い。



このような感じである。

百ます計算は、6月から9月の初め頃まで、毎日でもないが、コツコツ続けてみた。1桁の計算速度を上げるのには、確かに効果があり、さすがに時間は縮まった。

まだまだ伸びしろはあり、もっと続けるべきところだが、そうも言っていられない。なにしろ娘は4年生なのだ。1桁の計算だけしていればいいというものではないのである。
これが3年前だったらいいペースだったのにと悔やまれる。

実は、この百ます計算の期間も、まぁまぁ苦労した。娘の応用力のなさに驚かされるというか、計算とは何かを考えさせられる、ある意味貴重な体験だった。

百ます計算の様子を横から見ていると、例えば、6+6の答えがサッと出ずにモゴモゴしている。

「6+6は、6✕2と一緒だから、12とすぐに分かるよ。」

「パパは、10の組を作って引き算しろといった。だから、6から4を引いて計算してる。九九で解くとは教わってない。」

「6+6のときは、九九で解いた方が速いんだって!」


あるいは、7+5でもごもごしている。

「7は、5と2を合わせた数だからさ、そこに5を足せば、5のセットで10が出来て、答えは12になるよ」

「パパは、7とセットの3を探せといった。だから、5から3を引いて計算してる。やり方が違うのはおかしい。」

なるほど。
言われて気づいたが、僕は、

7+4のときは、4を3と1に分解して計算し、
7+5のときは、7の方を5と2に分解して計算していたわけだ。全く意識していなかった。

さらに同じ数字を足すときは、九九で解いている。
やり方が、バラバラで統一性がない。
整然とした美しい解き方とは言い難いわけである。

いつの間に自分がそういう計算の仕方を身につけたのか分からないが、少なくとも小学2年生のときには九九で解いていた記憶がある。

若干恥ずかしいが、僕はいまだに、8+7を、7✕2に1を足して15として解いている。我ながら妙な計算法だ。

そろばんを習得していたら美しく統一された計算ができただろうに、我流が情けない。

話がそれた。

娘はなにも、統一性ある美しい解き方をねらっているわけではなさそうだ。同じ方法で計算したほうが、頭の切り替えが不要なのでやりやすいということらしい。

無意識にやっている、僕の我流暗算は、よく言えば問題に合わせて瞬時に計算方法を切り替えているわけで、それはそれで修練がいるというか、難しいのかも知れない。
計算を教えるというのは、なかなか奥深いものだと思った。

ところが、9月になって娘に聞いてみると、6+6や、8+8は、やはり九九で解くようになったのだそうだ。
経験を重ねていくうちに、自分のやり方が出来上がっていくのだろう。つまり、慣れるしかないわけである。

百ます計算は効果があったが、9月頃を最後に一旦休止した。
次回、「割り算の筆算と引き算」に続く。