娘の算数の実力が、極めて低いという話を書こうと思う。
誇らしい話ではないので、これまで事細かに書いて来なかったが、今や我が家の重要課題になっている。しかも解決の目処がない現在進行形の課題だ。今後、時々は書いて行きたいテーマである。
どのくらい実力がないかというと、4年生の春の時点で、1桁の足し算を指を折って計算していたくらいだ。
半分は娘自身のせいだが、半分は僕の責任だ。
僕の責任と考える理由は2つある。
一つ目は、昨年まで、日々の宿題などを全く見ていなかったこと。学童保育を利用していたため、迎えに行く頃には、いつも宿題が終わっていた。宿題を終えてからでなければ遊べないルールになっていたからだ。
僕自身、子供の頃に、親に勉強を見てもらったことなど一度もないので、宿題など、そうして一人で片付けるものと思い、本人に任せていた。
2つ目は、毎週、通わせている公文教室で、算数をやらせていなかったことだ。公文教室は、亡くなった妻の意向で、幼稚園の年長頃から通わせている。
最初は、国語と算数を学ばせた。しかし、娘はとにかく算数を嫌がった。嫌で嫌で教室に行きたくないという程だった。
その様子を見て、途中で算数を辞めさせ、代わりに英語を学ばせることにした。2年生のときだったと思う。
「苦手を無理強いするより、好きなことを伸ばした方がいい」
そう言って僕が勧めた。
僕も子供の頃、算数が嫌いで仕方なかった。が、昭和の時代のこと、男性は理系に進んだ方が就職面で有利と周りから勧められ、高校で理系を選択した。結果、大変に成績が落ちてしまった。
理科は好きだが計算は嫌いだった。総じて文系教科の方が性に合っていたが、かと言って数学が極端にダメなわけでもなく、深く考えずに理系を選んでしまった。このときの選択には、いまだに若干の後悔がある。
話がそれたが、娘の得意科目は、国語と理科で、その辺りも僕と似ている。僕と同じような悩みを持たないよう、算数など適当でいいから得意を伸ばしたいと思った。
しかし今年の5月、学童保育を辞め、家で、目の前で宿題をする様子を見て、考えが揺らいだ。
ひどすぎる。
「1桁の足し算するとき、どうやって計算してるの?」
「5+7なら、5のあと、指で7つ数えてるよ。」
冗談かと思ったが、目の前で見ているとまさしくそうして計算している。時間がかかり、しかも不正確だ。
4年生でこれでは、さすがに心配になる。
先程、半分は娘自身のせいで、半分は僕の責任と書いたが、あれは誤りだ。
算数の素養のなさは、すなわち僕の遺伝子によるものであり、娘のせいではない。つまり責任は全て僕にあるわけだ。
計算力の強化をしようと決意した、5ヶ月前のことであった。
次回、「繰り上がりのある足し算」に続く。