今週は、濃い一週間だった。
始まりは、月曜日の夕方のこと。娘の担任の先生から電話が掛かってきた。
学校で定期的に悩み相談コーナーを開催しており、娘がそれを利用したのだという。その相談の中身が、
「どうして生きているのか分からない」
「時々死んでしまいたくなる」
といったものだったらしい。
内容が内容なので、保護者に連絡することにしましたと先生は仰った。普段の生活のことを聞かれ、あれこれと答えた。
娘は、5月まで利用していた学童保育の悩みを話したらしい。前にもこのブログに書いたが、娘は学童保育でいじめにあっていた。しかし、その学童保育はもう辞めてしまっている。なぜ今になって相談したのか分からない。
電話が掛かってきたのは夕方5時過ぎで、仕事を終えて電車に乗る直前だった。人混みでの立ち話だったので、5分程で切り上げ、先生にお礼を言って電話を切った。
30分後、帰宅して夕食の準備をしていたら、また電話が鳴った。テーブルの上に置いてあったスマホがバイブでうねり、画面に小学校の名前が表示された。娘が気付いて、
「学校から電話だよ!」
と言った。
慌てて通話ボタンを押すと、今度は、さっきとは別の先生だった。学年主任の先生だそうだ。
今度の先生は、また別の角度で、あれこれと尋ねられた。
「娘さんが家で一人でいる時間は、どのくらいですか?
自分の部屋でどのくらい一人で過ごしていますか?」
娘が寂しい思いをしていないか、一人で思い詰めていないかを強く心配してくださっている様子だった。
娘が学校から帰ったあと、2時間半程で僕が帰宅する。その後、僕と娘は、ほぼずっと一緒にいる。風呂も一緒、寝るのも一緒だ。翌朝、出勤と出校のために一緒に家を出て、エントランスで別れるまで一人の時間はない。
娘の部屋はあるにはあるが、物置き代わりになっていて、娘が一人で時間を過ごすことはない。そう説明した上で先生に言った。
「というわけで、今も娘が近くにいます。」
先生は、やや驚いて申し訳ありませんと謝ってくださった。
もちろん、電話を持ってリビングから離れた部屋に移動してはいたが、会話の最初の方は、娘に筒抜けだった。
先生から、娘の悩み事を出来れば取り除いてあげて欲しいと言われたが、母親がいないことなど、どうにも出来ないことが多い。
逆に先生に、相談の時、娘はどんな様子だったのか、どんなトーンで話したのか教えて欲しいとお願いした。
相談員に聞いてみないと分からないので、確認して水曜日には連絡すると約束してくださった。10分程あれこれと話して電話を切った。
それを待ち構えていたように娘が寄って来た。
「相談コーナーに行ったことで電話?」
バレバレだが仕方ない。
かえって開き直ることが出来たので、明け透けに話した。
「そうだよ。みんな大心配でさ。」
娘は、笑った。
友達が相談コーナーを利用すると言ったのが、きっかけだったらしい。それなら私もと娘が言い、二人して相談コーナーに行ったのだそうだ。
娘が悩んでいるのは事実のようで、学童保育で酷いことを言われたこと、例えば「死ね」と言われたことなどが今も心に刺さっていて、思い出すと悲しくなるのだそうだ。
学童保育でのいじめは、僕が思っていた以上に辛かったらしい。嫌なことがあった、泣いたなどとは聞いていたが、そこまで辛いとは思わなかった。
「何となく、あまり言えなくて」
深刻にならないように軽めに話していたようだ。そこに気を回せていなかった。もっと早く学童保育を辞めさせてあげれば良かった。
そう言えば先月末、書店に行ったときに娘が読みたいと言って、こんな本を買った。