以前の記事にも書いたが、昨年9月に妻が亡くなって以来、20キロ程体重が落ちた。
そして先日、7月15日、人間ドックを受診した。
一通りの検査を終えて、最後の診察の際、先生に、
「素晴らしい」と激賞された。検査数値が劇的に良くなっていたのだ。
「体重も順調に減っているようですし、このまま続けられれば言うことありません!」
テンション上げ気味の口調で、先生はおっしゃった。
実は最も体重が落ちていたのは4月で、その後少し増えてしまっている。決して手放しで喜べる状況ではなく、むしろ増加に転じた今は、少々ヤバい時期といえる。しかしそんなことを言うと、せっかく褒めて下さっている先生のお気持ちに水を差すようで申し訳ない。
「はい、数値で減量が確認できると、励みになります。」
適当に答えておいた。
今日、その人間ドックの結果が郵便で届いた。
昨年と比べてみると歴然。
肝機能も昨年の赤字が、
全て黒字になった。
郵便が届いたとき、彼女が家に来てくれており、一緒に中身を見て、数値に感心してくれた。
しかしこれだ。
見間違いではない。
あれほど先生が褒めてくださったというのに、一体どういうことか。
しかしそもそも、健診結果とは、もっと客観的な区分によって示されるべきものではないか。
A、B、Cや、1、2、3で良い。
小学校の成績表ですら、数値で表されている。
これでは、貧困なボキャブラリーによる誹謗中傷である。医学的な検査結果を表す言葉とは思えない。
大体20kgも痩せたのに、まだ「太りすぎ」であるのなら、痩せる前は一体何だったのか。判定不能か、想定外か。説明して欲しいものである。
彼女は、
「こんなストレートな書き方するんだね」
と、笑いを噛み殺して言った。血液や肝機能の検査値改善より、そちらがツボにハマった様子だった。
彼女と娘は、僕の一時期の痩せ方が緩み、最近リバウンド気味であることに、とうの昔に気付いている。
下の写真は、人間ドックの結果が届く一週間も前に書かれた、リビングのホワイトボードの落書きだ。娘と彼女と僕で書いている。
僕が太りそうな恐れはとうにバレている。
医者は騙せても新家族はだませないのである。
世の中には、「夏ヤセ」などという不可思議な現象があるらしい。僕はこれまで一度も体験したことがないし、そもそも冬より代謝が落ちるはずの夏に何故痩せるのか理解できないが、その超常現象のような「夏ヤセ」が今年こそ起こらないかと期待している。
こんなものも書かされていて、痩せなかったら一戸建てを買えと娘が言うのだ。
「太りすぎ」などと中傷する、医学にはもはや頼れない。神様と仏様、亡くなった妻に、痩せを祈るばかりである。