小学3年生の娘の、勉強についての話だ。
 
娘は、この6月から、連絡帳に短い作文を書かされるようになった。文を書き慣れさせる目的だと思うが、2文程でまとめる課題らしい。短すぎて、本当に文の練習になるのか疑わしいが、もちろん先生には考えがあるのだろう。
 
◆6月1日
『私は、夜ごはんにサラダを食べました。マヨネーズがついていて、おいしかったです。』
 
まあ、2文ならこの程度か。
それに対する、先生のコメントが、
「おいしそう!」。
何だか雑だが、これもこんなところかと思う。
 
 
 
しかし、連日2文の作文が続くと、何やら段々、シュールになってくる。
 
◆6月2日
『私は、きのう朝ごはんに、食パンを食べました。食パンにはあまいバターがぬってあってとてもおいしかったです。』
 
 バターおいしいね。
 
◆6月3日
『私は、おととい、マーボーどうふを食べました。少しからかったけど、ネギなどが入っていて、おいしかったです。』
 
 これはおいしそうだ!
 
◆6月4日
『私は、きのう、友だちとゲームであそびました。学校ごっこをしました。楽しかったです。』
 
 楽しそう!
 
先生のオウム返しのコメントは、わざとなのか、天然なのか。生徒には2文を課し、自身は2単語くらいを課しているように見える。逆に面白くなって、僕は連絡帳を見るのが楽しみになってきた。
 
 
そんなことをしているうち、今週月曜日6月7日、気になることが起きた。毎日、娘の宿題を見ているのだが、算数の時間計算がどうも上手くできないらしい。そもそも娘は、算数が苦手で嫌いだ。
 
例えばこんな問題がある。
 
『2時35分の、55分後は何時何分ですか』
 
娘にこれを解かせると、まず分のところに着目し、
  • 35分+55分=90分
  • 1時間は60分だから、90分−60分=30分
  • 2時00分+1時間=3時00分
    残り30分を足して、答え3時30分。
正解だと思う。ところが学校では、
  • まず2時35分から3時までの時間を求める。
    3時00分-2時35分=25分
  • 55分−25分=30分
  • 3時00分+30分=3時30分
なのだそうだ。計算途中も書く必要があり、こちらのやり方で解かないとダメらしい。
 
どちらでも同じに見えるが、娘にとって問題なのは、学校流のやり方の途中に出てくる、引き算が難しいらしいのだ。
  • 3時00分-2時35分=25分
これを娘は、頭の中で暗算することができない。
60-35と、筆算すれば解くことができる。

ところが学校のテストで、筆算問題でないところに筆算を書くと怒られるのだそうだ。そのため、先生が見ていないところで、紙の余りや机の上にササッと筆算し、こっそり消しているらしい。
 
何ともはや。最初、娘がどの部分でつまずいているのか分からなかったが、どうやら時間計算の理解でなく、単に、引き算の暗算力の問題だったようだ。
 
そう言えば自分も小学生の頃、机の上にササっと書く、「隠れ筆算」をしていたような覚えがある。習った知識、計算技術を全て使って問題を解けば何ら構わないだろうに。暗算力の向上は、それはそれで別に訓練すればいい。
 
これは放置できないと、僕の中の温度が上がった。思い立って、連絡帳に意見を書いてみた。
 
 
どうだろうか。先生は何とこたえてくれるだろうか。

文末を「大変失礼致しました。」としたので、例の先生のオウム返しで、

「失礼だね!」

と返ってきたら、それはそれで面白いなと思った。
 
翌日、6月8日の連絡帳は、下の写真のとおりだった。
娘の記載の途中でページが変わっているが、返答は、

「おいしいね」

である。

 
僕の長文連絡事項は、ページが変わったせいで目につかなかったのかもしれない。とにかく反応なし、ノーコメントだった。

翌日まで待ってみたが、6月9日の部分にもコメントはない。
 
というか、娘の作文、

『私は、きのう子供の家で、ともだちといっしょに、おままごとをしました。楽しかったです。』

にも、波線を付けているだけで、コメントを付けていない。これまでのオウム返しのコメントすらなくなり、ノーコメントになった。これは、わが家に対する何らかの意思表示なのか?深読みしたくなってくる。もちろんそんなことはないのだろうが。
 
連絡帳の短文作文と、筆算禁止、いずれも大人からみるとあまり意味がないように思える。

文部科学省の関係者の方が、もしこの記事を読まれていたら、ご一考いただきたいところである。