一昨日の午後6時過ぎのこと。ケアマネからメールが届いた。

『重度訪問介護の申請の件で、障害福祉課の担当者様と面談してきました。8/25(火)の審査会のために資料を作成して欲しいと依頼されました。

1  本人様の現状
2  1日の流れと生活に伴って必要な介護(平日と土日に分けて)
3  介護保険ではマネジメントできず、障害福祉サービスでしか対応できない理由
4   訪問入浴、訪問看護、訪問看護(リハビリ)、訪問歯科それぞれのサービスと重複しなければならない理由

以上四点を明日までにまとめて提出して欲しいとのことです。』


えーと。

8月13日にわが家で3時間にも亘って行われたあれは、記憶では確か調査員による調査だったと思うが何だったのだろうか。特に、わざわざ家に来たのは、「本人の現状」を見に来たのだと思っていたが。項目1は見間違いではなく「本人の現状」なのだろうか。
項目2も、記録を取って説明文も付けて提出し、口頭でも随分補足したのだが、不足があるのだろうか。いささか呆れた。

一歩譲って、項目3、4は良い。言わば議論の本丸にあたる部分で、13日にも話題になったことだ。ここについて資料を求めて来るということは、しっかり検討する姿勢があるのだとも受け取れる。

メールだけでは雰囲気がつかめなかったので、昨日、ケアマネに電話をしてみた。

「24時間介護を求める申請なので必要と言われました。futaさんにご用意いただくのでなく、ケアマネの立場からみて必要性があると書面で申告して欲しいということです。」

話をつなぎ合わせると、申請者も望んでいる、主治医も必要と訴えている、ケアマネも必要と訴えている、だから必要なんだという形に整えたいらしい。

もしかしたら、しっかり整えれば認定されるかもしれないと期待が湧かないでもない。しかしもう一方で、一体どこまで手続きに手間をかけさせるのかと呆れる気持ちが大きく湧き上がる。

こちらはただ、規定の制度を利用しようとしているに過ぎず、別に無理難題を吹っかけているつもりはない。何故そこまでへりくだってお願いします、お願いしますと頭を下げねばならないのか。

最愛の妻を残酷な難病が襲い、気を抜くとへたり込んでしまいそうな精神状態なのだ。お見舞いしてもらってもバチは当たらない状況と思う。

難病というだけでは信用できません、どのくらいの難病なのかしっかり申告してください、本人だけでは信用できません、医師もケアマネも申告してください、調査にはうかがいましたが、書面で申告してください、と言われているようなものだ。これまでにも度々書いてきたことだが、認定してやるから耳を揃えて書類を出して来いという姿勢には、不快感を感じざるを得ない。

ケアマネさんも「13日の調査は何だったんだ!」と怒っておられたが、何しろ「前例のないこと」をしようとしているから仕方ないんですと言われていた。うちの市では、ほとんど前例がないらしいのだ。

先日ケアマネさんと「今後のためにも前例になるよう頑張りましょう」と話し合ったところではあるが、こんな風に厄介な書類を作ることを「前例」にしてしまったら、逆に後続の人が苦労するのではないかという気もしてきた。なんともはやだ。

そんな風で、ケアマネに追加書類を求めてきた形だったが、それなら僕もと思い、先日提出した書面に次のような内容を書き加えて、ケアマネ経由で提出してもらうよう頼んでおいた。


◆重度訪問介護と他の訪問サービスが重複しなければならない理由

業務内容が異なり、分担が欠かせないこと
現状、申請者に対し、トイレ介助、痰吸引、体位調整、唾液を受けるミニタオルの交換、スマートフォンやテレビリモコンの操作補助、鼻水、涙の拭き取り等の介助を常に継続して行っています。

訪問入浴、訪問看護、訪問医らの来訪時、例えば痰吸引を任せることはありますが、これら全ての介助を任せることはあり得ません。

例えば訪問入浴のスタッフは浴槽の搬入や組み立て等準備を行いますし、訪問看護師は点滴の準備等を行います。それら本来業務の傍ら、体位調整やミニタオルの交換など雑事のような介助を行えるものではありませんし、そもそも本来業務の範囲を超えて、それらの介助を任せることが適当とは思えません。

加えて、申請者は会話ができず、頷き動作によるコミュニケーションしか行えないため、必要があっても意思を伝えることが出来ません。結局、介助に慣れた者でしか対応することができない状態です。

以上のとおり、何らかの訪問サービスが入っていれば、全ての介助を賄えるといったものではありません。本人の命の安全を含めて、介助を行き届かせるためには、ヘルパーに介助を任せ、その他の訪問サービスには来訪目的たる本来業務に専念していただくのが適当と考えます。

介護者不在の時間を避けたいこと
各種訪問サービスの来訪時間は一定でなく、前日等、直前に通知される場合がほとんどです。また、予定時間を前後し、数十分遅れることも日常的にあります。

そのような状態で、各種サービスの重複を避けてスケジュールを組んでおきますと、現実には時間のズレによって介助者不在の時間が生ずることが容易に予想されます。空白時間が生ずると、命の安全に関わります。上記①のことと併せ、業務分担の上、ヘルパーに継続して介助を任せることが適当と考えます。

◆介助者及び家族の状態

申請者の夫より、自分と娘の状態について申し述べます。
自分は、睡眠時無呼吸症候群のため通院し、CPAP(シーパップ・経鼻的持続陽圧呼吸療法)による治療を継続しています。また、この病気に合併することの多い高血圧症と診断されています。この半年間、妻の体調が悪いと、夜間の頻繁な痰吸引と、前頭側頭型認知症による無意味な行動が起こり、これに対処するために2~3時間程度の睡眠しか取れない日がしばしば続いています。自身の健康を確保しなければ介護が行えないのはもちろん、昼間の勤務にも支障が出ており大変苦慮しています。

また娘は、現在小学2年生ですが、自分が始終、申請者に付き添って介護しているため、相手をする時間が全くありません。妻を家に置いて外出することもできず、コロナ禍のステイホームの状態が、わが家では2年近く続いています。そのステイホームの家庭内において、さらに一人っ子である娘を自室に放置し続けている状態です。

自身の健康を保ち、生活を成り立たせ、娘の健全な成長を図り、介護を続けるためにも何卒、本申請の認定をお願いします。


規定の制度を利用したいだけなのだが、お願いします、お願いしますと書き加えておいた。さすがに手続きはこのあたりで終わりと思うのだが。