↓唐突だが、100均のプラケースを加工したこれ、何のためのものか全く分からないと思う。どう使うかというと、


↓こうなって、


↓こうなる。


白いボタンはワイヤレスチャイムのスイッチだ。

妻が介護ベッドに寝ているときに、僕を呼べるように手元近くにスイッチを置いてみたものだ。

しかし、一週間試したあと具合が悪いことが分かり、結果的にこうなった。


妻の手は、容易にどこへでも動かせるわけではないので、スイッチの位置に工夫がいる。最初のものより長さを伸ばして手が届きやすいようにし、かつ、ベッドの乗り降りに差し障りが出ない程度にした。

わが家は、妻と僕の他に小学二年生の娘がおり、常に妻だけに付き添っているわけには行かない。また、妻は声が出せないし、バイパップのマスクを自分で外すことも出来ないので、用があるときはチャイムで呼んでもらうしかない。そんな中で工夫したものだ。

これを設置してから、夜中にチャイムが鳴る回数が増えた。それだけ僕が起きる回数が増えたわけだが、スイッチを押しやすくなったのなら良いことだろう。

そして、夜中だけでなく、僕と娘が風呂に入っている時にもしばしばチャイムが鳴るようになった。

順番として、妻を先に風呂に入れてベッドに寝かし付け、その後で、僕と娘が風呂に入る。

僕と娘の入浴時間は30〜40分程度だが、その間に大体1回は、チャイムが鳴る。そうすると僕は、あわててバスタオルを巻いて妻のところに行かねばならない。

妻の用事は、トイレ、痰、バイパップの不具合など様々で、場合によっては対処に10分くらいかかることもある。その間、娘は風呂で待つことになるので、チャイムが鳴ると、僕と娘は顔を見合わせて、ちょっとブルーな雰囲気になってしまう。

ところが今日、久しぶりに入浴中にチャイムが鳴らなかった。珍しいなあと僕が言うと、娘が、「記念日だね!」と言い出した。

「チャイムがならなかった記念?」

「そう、『お風呂で呼ばれなかった記念日』」

「なるほど」

「記念日だから、紙に書いて写真撮る!」

娘はそういい、結果このようになった。


ノートに娘が書いた。日付は僕。これを持って、ふたりでスマホで自撮りした。

ついでに最近の、娘語録をもういくつか挙げておこう。

母の日のプレゼントで、↓これらのものを渡したとき。


「ママ、いつもありがとうって言って、渡してあげて」

と僕が言うと、

「ママ、どっちかというと助けられてる方だけどね」

的確なコメントで何も言えない。

さらに、ALS界で大流行のハンドマッサージャーを、娘自身が試したあと、妻に渡したときのコメント。

「ママ、肉が少ないけどこの機械なら気持ちいいと思うよ、肉が少ないっていうのは、パパや私の腕みたいにボリュームがないってことね。あんまり言っちゃいけないと思ってたけど、マッサージ器の説明のために必要だから言ったよ。」

ごもっとも。

何というか、妻の病気と僕の介護の様子を的確に見て取っている様子なのだ。

やるな、娘と感心する親バカである。