朝6時頃、ゆうきちさんのブログの影響で、作ったこともないフレンチトーストを焼いていたら、妻が起き出してきた。

足が痛むという。それから右手を出して、指の間の筋肉が凹んでいると悲しそうに言った。

左手と構音障害、嚥下障害が主だったのに、右足や右手も心配しなければならなくなった妻の心中を考えると何とも言えなくなる。

もともと妻は、症状などを逐一、人に話さない方だと思う。会話がしづらい状態であることも大きいが、楽しくない話題は、積極的に持ち出したがらないところがある。症状に限ったことでなく、無用に人を心配させるのを好まない性格なのだと思う。

だから今日のように、自分から話してくることはとても珍しい。この病気と診断されてから今までを思い返しても、初めてに近い。

それに気付いて、この時に、もう少し気を回せれば良かったが、なんとなくそのままリビングで過ごさせてしまった。

午前10時過ぎ、会話しづらいため、妻が僕に、LINEを送ってきて、少し休みたいと言った。このままリビングのソファに座って休ませてもらえばいいんだけど、と注釈付きで。

そうか、そんなに調子悪かったのか、自分の部屋でベッドで休んでいいよ、ごめん気付かなくてと言って、妻をリビングから追い出した。

6歳の娘の相手をするのは骨が折れるので、僕に全て任せるのを遠慮して、ずっとリビングで我慢していたのだろう。

また僕が、日曜大工みたいなことをして、ちょいちょいリビングを離れて別の部屋に行ったりしていたのも悪かった。

その後は、夕方まで、妻をなるべく自室で過ごさせ、僕が娘の相手をした。

今日の妻は、終日元気がなかったように思う。もちろん今の状態で元気いっぱいでいられるわけもなし、無理しなくていいと言いたいが。

今日、あらためて思ったが、僕は気付きが鈍い。

何か困ったことがあったらすぐに言ってね、と相手に報告を求め、受け身で待っているのは、家族としては失格だろう。
(もちろん、家族以外の方からそうやって声を掛けていただくのは心底有難い。)

赤ん坊に報告を求めて待っていてはダメなように、身体だけでなく気を病んで遠慮している妻に対する接し方を、僕はもう少し考えなければいけない。

今月はじめに妻の友人に会ったとき、僕は、妻の症状を説明して、左手先に力が入らないが腕の力は割りとあるので重いものも持てると言った。すると妻が、いや…と言いにくそうに否定した。その時、ああそうか僕の言ったことは、もう少し調子が良かった頃のことなのかと思った。

構音の状態は、見聞きしているだけで伝わってくるが、手足や痛みの加減などは、外からはあまり分からず、気付かぬままにしていることが多いと思う。

急に気が利くようにはなれないが、意識して気付くようにしたいと思うし、症状について聞きだすよう、僕から積極的に話さなければとも思う。

 気付きが足りない自分を改めたい。