例年より少し遅いが、クリスマスの飾り付けをした。といってもメインは写真のようなミニツリーで、ささやかなものだが。
この他に、窓にジェルジェムを貼ったが、今年はほぼ全部、6歳の娘が1人でやってくれた。昨年は僕が教えながら手伝わせ、おっかなびっくり貼っていた娘だったが、今年は自分の好きなように堂々と貼ってくれた。成長したものだと嬉しくなった。
さて、この時期のもう1つの仕事は年賀状だが、今年に限っては若干、躊躇するものがある。
例年、我が家の年賀状は、僕がパソコンで作り、僕と妻のそれぞれの知人に全部同じデザインで送っている。
図柄のなかには、毎年欠かさず家族写真を入れるようにしている。
よく言われるように、家族写真入りの年賀状は、敬遠され勝ちだ。
曰く幸せの押し売り感がある、曰く自己顕示欲があからさま、曰く親バカ、と言ったところか。
そういった捉え方があるのは事実だし、僕自身、若い頃に若干のやっかみとともにそういう気持ちを持ったこともある。
その点は、妻とも何度か話したが、やはり家族全員の写真を1枚は入れようという結論になった。
捉え方は人それぞれなので、全ての人が快く思ってくれるものを作るのは不可能だ。
もともと近況報告をしたくて年賀状を送っているのだから、何よりの近況報告である写真を入れるのを躊躇していては、本末転倒の感がある。ディスられないのが主目的でなく、近況報告と挨拶をするのが主目的なのだから、そちらを優先しようというところで合意した。
しかし今年に限っては、その近況が。
妻が、たった2ヶ月前にALSであろうと診断されたばかりだ。
正直今「おめでとうございます」という気分でないのは確かだが、かといって、いままでは押し売りできる程幸せがあったから嬉々として年賀状を送っていましたが、今年は悩みがあるから失礼します、では勝手過ぎる。
やはり例年どおりの年賀状を作ろうと話した。
なお、妻と話したのは、
「今年も年賀状作るよ」
「うん」
の一言だけで、その他ゴチャゴチャ書いたのは、全て僕一人の勝手な葛藤なので念のため。
写真は、診断のあった2日後にドライブに出掛けた際のものを選んだ。義母が家にいないで出掛けようと誘ってくれたのだった。
妻は、幸い歩行に支障は出ていないので、写真で何かの病気と察する人はいないだろう。
年賀状は、近況報告と言ったが、もちろんあえてALSになりましたと書くつもりはない。
知っておいて欲しい知人には、既に大体伝えてある。あと1人くらいは、伝えておこうかと思っているが、年賀状より、やり取りができるメールの方がいいかなと考えている。
こうなると、あらためて年賀状の意味合いそのものが微妙に思えるが、まぁそれはそれだ。
おそらく、来年の今頃も同じように年賀状を作ると思う。来年も、同じようにあえて言わなきゃ病気とわからない写真を撮るし、撮れるに決まっている。
だから躊躇するのは今年限りで、来年は迷わないと思う。