2週間のラジカット点滴が終わり、来週月曜日に、妻が退院する。

今回、初めての処方なので、副作用の確認などのために入院とされたが、幸い特に問題なかったようだ。次回からの点滴は自宅近くの病院へ通院して行い、時々市民病院で診察を受けていく形になると思う。


最初入院が決まったとき、6歳の娘にどう話すべきか悩んだ。

入院すれば治るよと期待させることもできないし、病院でなくお仕事で留守にするんだよと嘘をつこうかとも思ったが、そんなことをするとお見舞いに連れて行けなくなるし。

迷ったあげく、数日後に、
「ママはしばらく病院にお泊まりすることになったよ」と話したら、
「知ってるよ入院でしょ」
と返された。

僕より先に、妻から娘に話してくれていたことを後で聞いた。娘は、何日もママがいないと聞いて泣いたそうだ。辛い役をさせてしまって申し訳なかった。


入院中の目下の心配だった、娘の幼稚園の送り迎えは、娘のばあちゃん2人に応援を頼んで、なんとか乗り切れた。

期間中、特に駄々をこねることもなく元気に幼稚園に通った娘を誉めてあげたい。ばあちゃん2人にねだって結構高いおもちゃを買ってもらっていたが、この際、許そう。

もうひとつ心配している、ママいつ治るの?といった問いかけは、幸い、今のところない。
娘なりに何か感じているのか、いないのか。

正直、ばあちゃん2人ですら、病気のことを若干誤解してるところもあるし、娘がそこまで何かを感じるとは思えない。と思いたい。

今後娘は、妻の病気を次第に知っていくことになると思うが、どんな形で受け入れていくのか、これからの様子を見守っていかなければ分からない。


全然例えが違うが、僕の母は、長いこと姑に辛く当たられていて、小学生から高校生くらいまでの間、僕の前で時々泣いてみせた。
僕の目から見ても姑が悪く、お母さん辛そうだ、なんとかしてあげたいと思った。結局は、何もできなかったが。

だからと言って母に向かって常にいい子でいたわけではないが、何かのとき、例えば悪友に悪い遊びに誘われたときに、お母さんをこれ以上泣かせたら気の毒だなと思って踏みとどまるようなストッパーにはなったし、喜ばせてあげたいなと思う気持ちが多少は沸いた。

母の涙を見ていたことは、むしろプラスに働いた部分が大きいと思う。

これも全く次元が違うが、娘はテレビなどを見ていて、主人公がドキドキしたり泣いたりするシーンがあると、その度に、辛そうな反応を示す。この程度で?と驚くほどだ。僕などよりずっと優しい心を持っていると思うし、今回の入院もしっかり受け止めてくれた。
きっと病気のことも細やかに受け止めてくれると信じている。


今朝、入院中の妻から、今日は、いい夫婦の日だね、これからもよろしくとLINEがあった。

いい夫婦の日だね、といいあえる間柄は、すなわち「いい夫婦」なのだと思う。険悪なムードでこんなやりとりはできない。

嫁さん、早く退院してね。