この日、ぼくのもとに一つの石がやってきた。


【サンストーン】


とても綺麗なオレンジ色で、ゴールドを散りばめたような石だ。

そっと掌に乗せて転がしてみる。

チカッ!チカッ!

虹も入っている。

まさに、太陽の周りに虹ができた【幻日】のようだった。


この石で、ぼくはぼくの大切な友人や知人のためにストラップを作る。

でも頭の中にはデザインは全くない。


【困ったな・・・・・・どんなのを作ったらいいんだろう??】


家の中でモヤモヤしてても仕方が無くて、散歩に出かけた。

外はもう日が落ちている。月明かりだけの道をしばらく歩く。

ムンとするような日中の暑さとは違い、少し冷んやりしているのが心地よくて、ついデザインのことも忘れてひたすら歩いた。


いつの間にか東の森の近くの池のほとりまで来ていた。


【凄い!】


思わず声に出すほど美しい水面。

月の光が一直線になって差し込んでいるように見える。

ぼんやりと暫く見とれていると、やがて弧を描く水面から立ち昇るキラキラした水蒸気のようなものが見えた。

それは、月から差し込む光を中心に、その周りを螺旋を描くように上へ上へと昇ってゆく。


【・・・・・・】


ぼくは言葉もなくその光景を見ていた。


《太陽と月よ♪》


誰かがささやいたように思えて、ハッ!と気がついた。

もう幻想的な光も何もなく、ぼくの目の前にはキラキラと輝く水面だけだった。


その時、ストラップのデザインが急に降臨した。

ぼくは瞼をそっと閉じた。

そこには、太陽の化身と月の化身で作ったストラップが見えていたのだった。