ある晴れた星の綺麗な夜だった。

心が落ち着かなく、なかなか寝付けなかった。

ゆったりとした心地よい音楽を流しながら、窓の外の月を見上げる。


『待ってるから』


ぼくはハッ!として辺りを見回した。

可愛い少女の声だった。

たったひとりのぼくの部屋。誰も居ない部屋。

空耳だったのかと思い、また月を見上げる。


『ここ。ここよ。ここ』


また少女の声がした。

よくよく窓の直ぐそばのアジサイの葉に、ちょこんと座っている小さな少女がいた。


『やっと気づいてくれた』


少女はニコニコ笑っていた。

ぼくはビックリしつつ、はじめてみる可愛い小さな少女を驚かさないように顔を近づけた。


『きみは?』

『あなたのおうちのアジサイよ。いつも見てたの。あなたのこと』


赤紫色の綺麗な瞳でぼくを見上げるアジサイ。


『あなたに伝えたくて』

『なにを?』

『ちょっとだけね。あのね。きっと海に行けばあなたの探している答えがあるわ』

『海って・・・・・』

『どこの海か?は、あなたがわかっているはず・・・・・じゃぁね。それだけ言いたくて』


少女はニコニコして手を振ると、すぅーっと消えていった。


『海・・・・・』


そう呟いた瞬間、ぼくの中で何かがストンと落ちた。




今、ぼくは海に向かっている電車の中にいる。

『このまえのお手紙、素晴らしい字でしたわぁ~。感激しましたわぁ』

突然畑に入ってきた太ったおしゃべり好きの七面鳥婦人が言った。


『ああ。。いえ・・・・・』


僕は何のことを言われているのか、一瞬判らなかった。

暫くして思い当たることがあった。

先日、ご婦人達向けのお茶会のお誘いのお手紙を、近視のネズミ婦人に代筆を頼まれたのだった。


『とんでもありません。お手伝いさせていただいただけですから』


と、会釈した。

人が困っている事で、自分が少しでも役に立てばと思って素直に受けたことだったのだが、誰も自分が代筆しているなどと知ろう筈も無いと思っていた。


何故、この七面鳥婦人が知っているのだろう?

とても不思議だった。


『とっても素敵な字で、あなたのような方がこの村に居てくださるのはとても嬉しいことですわぁ。なんといってもこういうことは才能がなくてはできなくて・・・・・・』


永遠とひとりでしゃべっていた。


何か気の効いた相槌でも打てばよかったのだが、あいにく上手い言葉が見つからなかった。

太ったおしゃべり好きの七面鳥婦人は、僕に飽きてしまったのか、言いたいことを言った後、さっさと畑を出て行った。


『クスクス』


七面鳥婦人が去った後、僕の後ろの方で笑い声がした。

振り向くと、南風の子供だった。


『きみは、あの婦人が苦手なんだろう?知っているよ~。あの婦人は何かときみのことを色々気になっていて、非難しているってこと。それも全て自分の勘違いできみを非難しているって』

『驚いたなぁ!なんでそんなに詳しいんだい?』


僕は初めて会う南風の子にあきれた顔をしてみせた。


『ぼくたちは何でも知っているのさぁ~』


南風の子供は得意そうにケラケラ笑った。


『そんなことを言いに来たのかい?』


僕はちょっと困った顔をしてみせた。

すると南風の子供は慌てはじめた。


『ちがうよ!ちがうよ!もうすぐ梅雨が来ることを教えに来たんだよ!ぼくたち何でも知っているけど、あの七面鳥婦人とは違うよ~!!』


南風の子供は慌てて走り去っていった。

南風が梅雨雲を運んでくる時に、僕から悪い評価を南風に伝えられてはたまらないとでも思ったのだろう。

走り去っていく南風の子供が何度か振り返って僕の様子を見ていた。


僕はまた畑仕事に戻った。

南風の子供は、湿った重みを残していった。


いよいよ梅雨も近い。


以前、友人から公募の話を聞いていて、現実界がめちゃめちゃ多忙で、それこそ【盆と正月が一緒に来た】という表現が相応しい日々に追われて、すっかり忘れていた汗


こういう忙しさが2ヶ月は続いている??

もっと???


で、気が付いて締め切りを確認すると2日後だったので、1日かけて降臨してきたものを描いた。

ちゃんと締め切りに間に合って、作品は携帯画像などで友人知人に見せたりした。


結構高い評価です!!


めちゃめちゃ嬉しい音譜


人らしからぬ物を描かせるとめちゃめちゃいい感じだという、光栄なコメント。

つまり【仮面ライダーの皮(ガワ)】や、架空の動物などなど。


ありがたや、ありがたやラブラブ


まんがったんの公募の今回のテーマは【009】

1000年に一度の009年の今年に相応しく、良い結果が得られるといいなぁ。



ちなみに、この前出した書画展への初出展は、残念な結果だったが、アメンバーの【☆♪☆】ちゃんが見事【銅賞】という高い評価の入選に輝いたことは、友人の末端に加えさせていただいてる私にとっては、この上ない喜びとなった。