【小説】マジすか学園4 〜空を仰がぬ者〜 -4ページ目

【小説】マジすか学園4 〜空を仰がぬ者〜

12/20更新スタート。

伝説の女、前田敦子が去って2年後の入学式。
麗らかな春のその日、新総番武藤十夢と新入生達の新たな戦いの蕾が芽吹く。

マジすか書きたい!こんなマジすかであって欲しい!そんな作者の願望丸出しの駄文置きです。






「!!」


両者衝突。ダンマリがバッと飛び上がり、右で飛び蹴りを放つ。ナナはそれを左に避けて、瞬時に着地したダンマリの背中を取った。右手でダンマリの脇腹に掌底を打ち込もうとする。

「っ!?」

ナナが顔を反らす。その目の前をダンマリが放った左の裏拳が通り過ぎる。追撃。裏拳の回転の勢いをそのままに右手のストレートがナナの顔を狙う。ナナは首を右に傾け、ダンマリの背中側に逃げた。ナナが振り返るダンマリの右頬にストレートを飛ばす。ダンマリはそれを左手で払って、そのままナナの額に頭突きを放った。

「っ!!」

ガコンと骨と骨がぶつかり合う音が校庭に響く。ナナは距離を取るように後ろに飛び退く。ザーッと靴で砂を滑らせて着地した。ダンマリは冷たい表情を崩さない。ナナは頭を上げ、髪を掻き揚げて不敵に微笑む。その額には血が滲んでいる。
ナナはその傷に手で触れ、指に着いた血をペロリと舐めた。

そんな攻撃大したことはない。

ナナの行動をそういうアピールだと受け取ったダンマリは、表情を歪めてまた仕掛ける。
駆け出し飛び上がりながら拳を振り下ろす。
ナナは肘を曲げてその拳を受けた。ガードしたのと逆の腕でボディを狙うナナ。
ダンマリは膝をあげ、それを防いだ。そのまま曲がった膝を思い切り蹴り上げ、ナナの顎を目掛け上段蹴りを放つ。
ナナは体を思い切り反らしてそれを躱し、そのまま後ろにバク転して距離をとった。


「流れる様な攻撃、なかなか面白い。貴様を見くびっていたようだ」

嘲るように笑いながらそう言うナナ。その足元がズズ、と黒くうごめく。何か仕掛ける気だ。

「歓喜しろ。この学園で初めて私の鎌にかかる事に」

深い紫の色と、真紅の混じり合った色の狂気が、ブオンと辺りに満ちる。

「……!」

ダンマリはナナの攻撃を察してぐっと体制を低く身構える。
ナナがブツブツと小さい声で言う。

「苦しみ悶え、私を見上げ赦しを乞え、下賤なるマジ女の女罪人共よ……贖罪の刻だ」

ドッ!!

ダンマリの視界からナナが消えた。残ったのは音を立ててえぐれた地面。状況を把握しようとしたダンマリが次に見たのは、眼下に迫るナナの掌だった。

「断罪(だんざい)!」

「がっ!!」

顎を打ち上げられ、白い喉が露わになる。避けることなど不可能。脳が揺れているのだ。

「斬首(ざんしゅ)!!」

ビュオッ、ザシュゥッッ!!

「んぐがっ!!」

ダンマリが目を開いたまま声にならない声をあげて、後ろに倒れこみ動かなくなった。左足を軸にした後ろ回し蹴り。ナナの必殺の一撃は正確にダンマリの喉を捉えた。その軌道には死神の持つ黒い大鎌が見える。決着だ。


「ダンマリさん!」
「お、おいっ!しっかりしい!!」

ミオンとOLがダンマリの元に駆け寄り、口元に耳を寄せる。息はある。気を失っているだけだ。
ナナの強さと残忍さを目の当たりにして、ザワザワと校舎が揺れる。

「おいきさん!こんな事する必要あるとね!きさんの実力なら、もっと簡単にこいつば倒せたっちゃないとね!!」

そんな声を掻き消すようにOLが怒りに震えて叫んだ。ナナはつまらなさそうに答える。

「簡単に倒しては意味が無いだろう。私はこの学園に死に値する苦しみを与えに来たのだから」

「っ!?いったいなんのためにや!」
「貴様に話す必要はない」
「き、さん……ふざけ、」
「OLさん、待って」

ミオンがOLの言葉を遮るように前に出る。

「ねぇ大和田さん」
「なんだ、向井地。まさか貴様も怖気づいたか」

ミオンはううん、と首を横に振って言う。

「あのね……私かOLさんがあなたと戦ってもし勝ったら、その目的、辞めにしてくれないかな?」

ナナはミオンの言葉に眉をひそめ、明らかな嫌悪感を示した。

「貴様、ふざけているのか」

「ふざけてなんかないよ……マジだよ」


マジ。その言葉を発した瞬間、ミオンの目がキィーンと音を立てて青い輝きを放った。その輝きは、覚悟(マジ)の現れなのだ。

「私はあなたも救ってみせる、変えてみせる。そのために今は……戦う」

OLの方に向き直って、ミオンは赤いグローブを右手に装着し、それを右頬へ添えるように構えた。それを見てOLも決意のある視線を返し、拳を上げた。