昨年の内に観直しておきたかった作品2本を、丁度連続で上映してくれていた。
全米映画ランキング(12/8-10)で初登場1位、その後も3位、7位と3週連続でTOP10圏内をキープしている本作。"HAYAO MIYAZAKI"の知名度と人気を改めて認識もしましたが、あちらの映画好きにはこの作品がどう映っているのだろう?とも。
NHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」で、本作完成までの苦闘の日々を晒していた宮﨑駿監督。とうに孤高の人だと思っていましたが、あの歳になっても未だ高畑勲というかつての上司にあそこまで依存していた事に驚かされる。
かつて高畑作品を「パクさんは簡単な事をわざわざ難しく描く」といった風に評していた宮﨑さんですが、そういった作品作りへのアンチ・テーゼがコナンや初期の劇場作品を生んできたのかもしれない。師であり恩人であり盟友でありライバルであった高畑さんの化身と少年とが対峙するクライマックス。あれを描くことで果たして宮﨑監督自身の踏ん切りがついたのかは本人にしか判りようがないですが、その決意は見て取れた。
となれば、これで終わりでは誠に惜しい。魂を削り老体に鞭打つような長編ではなく、先ずは土星座の新作あたりを期待しちゃいます。
日付:2023/12/30
タイトル:君たちはどう生きるか
監督・脚本:宮﨑駿
劇場名:小田原コロナシネマワールド SCREEN7
評価:6.5
こちらの作品はできればIMAXのような大画面で再見したかったがこの時期叶わず。代わりにめちゃ前の方の座席で観賞。
こちらも全米映画ランキングの12月第1週から3位、3位、4位、9位と4週連続でTOP10圏内をキープ。ゴジラの生みの親である日本国民の1人として、これこそが真の"GODZILLA"なのだと溜飲が下がる思いです。
ただ個人的な感想としては、やはり物足りなさが残る。
ゴジラ(というか怪獣)映画の醍醐味は“破壊”にこそあるのですが、今回敗戦直後の日本を舞台にした事で、つまりは焦土と化した日本を舞台にした事で、そもそも破壊する対象物が存在していない。戦火を逃れた銀座の一部を粉砕するだけではカタルシスを生もうにも全然物足りんのです。再び上陸し山林を進むその姿も、かつての「予算の都合」で仕方なく選ばれた舞台と何が違うのかと思えた。
そして改めて違和感を覚えたのが、そのクライマックス。
多くの同胞を蹂躙した謎の巨大生物を葬り去る事に成功した元海兵達が揃いも揃って沈みゆくゴジラに敬礼(=敬って礼をする)をする理由は何なのか、1964年生まれの監督の意図を訊いてみたくもなりました。
日付:2023/12/30
タイトル:ゴジラ-1.0
監督・脚本:山崎貴
劇場名:小田原コロナシネマワールド SCREEN7
評価:6.5