「午前十時の映画祭13」での観賞もこれが4本目。この作品が選ばれたのはちょっと意外でもあり嬉しくもあり。
日本公開は1970年。ジャン=ポール・ベルモンドとアラン・ドロン。当時の仏映画界の2大スターの競演が話題となった作品。犬猿の仲と噂されていたとか、本国フランスではJ=P.ベルモンドの方が人気が高いとか、そんな記事を読んだ覚えあります。
日本はというと、そりゃあもう二枚目の代名詞アラン・ドロン様の一人勝ち。当時は彼の作品が公開されると、朝から映画館のチケット売り場の前にマダムが行列を作っていました。
1930年代のマルセイユを舞台に、駆け出しの2人が裏社会でのし上がってゆく物語。フランスお得意のギャング物でありながら、アメリカン・ニューシネマっぽさも感じます。
そしてこの作品の魅力は何といってもクロード・ボランが奏でるテーマ曲。ホンキー・トンク・ピアノの微妙にキーを外しているかのような余韻漂う、シャンソン調の軽妙でかつ物悲しくもありながら心躍る調べにやられました。このテーマ曲に惹かれて中1の3学期に観に行った続編の「ボルサリーノ2」では、この曲がほとんど流れなくてガッカリした覚えがあります。
本作はアラン・ドロンが企画しJ=P.ベルモンドに出演を依頼したらしい。日本公開当時ベルモンドが37歳でドロンが34歳。2人の肉体美が眩しい。
そのラスト・シーンで、「その後ロッコ(A.ドロン)がどうなったか、誰も知らない」とテロップされていた。この2人が競演を果たした本作は、制作当時はそれだけ“今回限り”な作品(の予定)だったのでしょうか。
来年の「映画祭14」で続編を上映してくれたら、改めてそっちも観に行っちゃおうかな。
メルカリで購入した中古のパンフレット。1970年製にしては状態良いのですが、1箇所ボールペンのメモ書きを見つけてガックシ。