クリストファー・ノーラン監督の最新作はその大半をIMAX70mm(65mm)フィルムで撮影したとの事で、アスペクト比は1.43:1。現在日本にはその上映設備を有する劇場はなく、唯一フィルム版ではないものの、109シネマズ大阪エキスポシティが「IMAX®次世代レーザー」にてこのサイズの上映を可能としている(上図右上が該当)。

 

で、大阪出張のついでに行ってまいりましたこの劇場に。観てまいりましたIMAX版を。

最寄り駅である万博記念公園が近づくと、見えてきたのは・・・

 

 

出たぁ、爆発だぁー(感動びっくり

 

EXPO’70である。47年振りなのである。父に連れられて万博行って以来のご対面。

いやもう今日一番の感動はこれでした。岡本太郎さん、やっぱすごいの残してくれてるなぁ~。

この"のそっと"立っている感じがまるで使徒のようでもありますが、私は同じ時代に成田亨氏が生み出した宇宙人や怪獣のデザインとの相似性を強く感じてしまいます。今の日本人が失っているデザイン力/創造性を発揮したその産物は、今も普遍性と存在感をもってそこにいた。

 

 

109シネマズは個人的には一番使い勝手の良いシネコン。会員になると「6本鑑賞すれば1本無料」ってどこのシネコンでもやってるサービスですが、TOHOシネマズなんかは本人分しかポイントを付けてくれない。これに対して109シネマズは家族3人で観に行けば3本分のポイントが付く。お父さん的にはとてもありがたい。あとポップコーンが一番美味しいのもこのシネコンです。

 

大阪エキスポシティはダンケルク一色だった

 

劇場の前面いっぱいに広がる"ぬりかべ"のような境目のない大きなスクリーン。

座席はこの劇場で鑑賞した方の感想等も参考にして、最後列を選択。

 

 

予告編(「スター・ウォーズ/最後のジェダイ」)の時点でその迫力に圧倒された(おそらくこの映像もIMAXカメラ)。「もう映画観に行くならIMAXじゃないと観れないみたいな」というIMAXの宣伝に出てくる劇場体験者の感想に初めて共感。これが3度目のIMAX劇場での鑑賞ですが、やっとその恩恵を実感できた。これが他のIMAX劇場だとこうはいかなかったのではなかろうか。

座席については目線とスクリーンの関係やそのサイズを考えると、やはり後ろの方が良いと感じる。L~Mがベストではないかと。

 

40%の映像情報を失う事なく、かなり完全版に近い形での映像と迫力の音響で観た「ダンケルク」は、☆が加点されるくらいの見応えはあった。フィルム版での鑑賞が叶わない事が残念でもある。すべての映像がIMAX70mm(65mm)フィルムで撮影されたわけではないので、途中スクリーンのサイズが変わる場面もあって、この辺はなんだかなぁって感じ。

 

民間船舶でダンケルクに向かうドーソン親子と息子の幼馴染のジョージの行動原理も、本土に帰還する燃料を犠牲にして敵爆撃機とメッサーシュミットに立ち向かう英国空軍パイロット、ファリアの覚悟も、一人仏軍と共にダンケルクに残るボルトン中佐の責任感も、そこに自己犠牲の精神と英国民の誇りが存在する。逃げ帰ってきた事を恥じる兵士達を温かく迎える市民の心根には、戦争という非常時の中の希望を滲ませる。

敵国民との殺し合いを当然のルールとして認めた上で愛国心を揺さぶるそのオーソドックスな手法が、脱出劇としてのノーラン・ワールドを支えている。本作の魅力は、意外と古典的なところにあるのだ。

 

日付:2017/9/23

タイトル:ダンケルク |DUNKIRK

監督・脚本:Christopher Nolan

劇場名:109シネマズ大阪エキスポシティ シアター11

評価:★★★☆