オープニングに、字幕でご丁寧に「序章(4分)」と表示される。これから始まる至高のミュージカル映画に相応しい、ワクワク・ドキドキ感溢れる静止画が続く。
そしてその後は、あっという間の152分。バーンスタインの名曲の数々に、計算し尽くされた歌とダンス。「新・午前十時の映画祭」は「デジタルで蘇る永遠の名作」と謳っていますが、1961年に公開されたこの作品が50年以上の時を経て色鮮やかに日本の映画館で上映されている事に感動すら覚えます。素晴らしきデジタル・リマスタリング状態。
ブロードウェイ・ミュージカルを映画化するにおいて、やはり重要なのは映画の醍醐味。「シカゴ」みたいに映画で"舞台"をそのまま再現する事に何の意味があるというのでしょう?
ロバート・ワイズと舞台版の監督であるジェローム・ロビンスの二人が監督としてクレジットされている本作品は、映画でしか成し得ない"ストリート・ミュージカル"の傑作だった。1960年代に映画というエンタテインメントが背負っていたものの重さも感じる、二度とこんな作品はできないだろうと思わせる名作でした。
タモリさんじゃないけれど、私もミュージカルが苦手だった。中学時代には「ザッツ・エンタテインメント」を観に行ったりして勉強もしたのだけれど、基本的に敬遠していた。若い頃にこの作品の凄さを理解できた自信はないけれど、この歳になって初めて劇場で観て、水野晴郎さんのあの名調子が頭を過りました。
日付:2013/5/25
タイトル:ウエスト・サイド物語 | WEST SIDE STORY
監督:Robert Wise, Jerome Robbins
劇場名:シネプレックス平塚 シネマ1
評価:★★★★★