カンボジアの悲劇2 


 の続き


※筆者は不思議な老人から食べ物を分けてほしいと言われ分け与える。しかしその老人からとんでもない呪いの言葉を言われるのであった。


p43〜44 The tears of my soul より

 

 「少し食べて頂いてもいいですが、私にも少し取っておいてください。」と言った。それから食べ物を老人に渡した。

 座って老人が食事をしているのを見ていた。老人がとてもお腹を空かせているのがわかった。老人が言ったことは本当だったのだろう。 おそらく彼は 2 か月間何も食べていなかったのだ。これほど長い間、食べ物なしで本当に生きられる人はいるのだろうかと思った。彼は何も話さずに本当に楽しそうに食べていた。老人が半分食べ終えたとき、残りを返してくれるかと思ったのだが、ペースを緩める気配を見せなかった。実際、老人はまるで誰かと競争しているかのように、食べる速度が速くなり続けた。食べるのをやめるよう言いたかったが、それは非礼だとわかっていた。私はただ、老人を見つめながら、どうしてこんなに親切にしてしまったのだろうと、心の中でとても後悔した。あまり自分で食べるものがあるわけではなかった。昼食を最後まで食べさせてくれたので、老人は私に感謝した。

  「君は良い子だ。お弁当を譲ってくれて、嬉しい。君はとても優しい。君のような少年には人生で一度も会ったことがない」

 老人の褒め言葉に興味を喪失した私は腹が立っていた。 

 「そんなに感謝しているのなら、少しは私のも取っておいただろうに」

 と思った。老人は私が非常に怒っていることに気づいていないようだ。

 老人は私に質問をし始めた。

 「君の名前は?国が崩壊する前はどこに住んでいたの?」

 しかし、私はそれに答えなかった。しばらく黙って座っていたが、それから立ち上がって立ち去った。 仕事に行かなければならなかった。老人は私が立ち上がるのを見ると、

 「100ヤードほど前に歩いてから戻ってきてください」

 と言った。老人の話し方が好きではなかったが、命令に従うことには慣れていたし、目上には礼儀正しくするように訓練されてきた。老人の指示に従って前に行き戻ると、老人は

 「もう一度座って」

 と言った。

 「今後半年以内に悪い状況に直面することになるだろう」

 と言った。 

 「君の家族は皆殺されるだろうが、君はジャングルの中で生き残るだろう。君は死ぬことはないが、多くの苦痛に耐えなければならない。あなたは家族の中で特別な人だ。そして君が生まれたときから誰かがあなたを守ってきた。自分がどのように生まれたのか知りたいなら、お父さんに聞くがよい」

 全く意味が分からなかった。老人が何を言っているのか理解できなかったし、殺人についての老人の言葉が気に入らなかった。老人は続けた。 

 「君がジャングルにいるとき、君の村の男が助けてくれるだろう。そして君は街に戻る。君は東に行こうとするが、東へ向かうことが運命ではない。代わりに、西へ進み続けるだろう。君はいい人生を送る、しかしそれは簡単には見つからない。時間は経つ、そして君は再びこの国へ戻る。」 

 もう聞く気もなくなった。老人の言っていることは何も意味がなく、老人は頭がおかしいに違いないと思った。最初は彼に申し訳ないと思ったが、今はただ怒っているだけだ。まず老人は私の昼食をすべて食べ、それからまるで何かの恐ろしい呪いであるかのように、私の人生について悪いことを言った。私は彼に背を向け、全速力で立ち去った。

 動物を狩りに行った時にはもう夕方になっていた。家に帰りながら、私は見知らぬ人のことを考え続けた。私は彼の不可解な言葉に非常に懐疑的だったが、なぜ彼がそのような恐ろしい話を捏造するのか考えられなかった。将来を脅し子供を怖がらせることなく、実際の殺人と死同然のことが起こっていた。なぜ老人は私の出生について語ったのか。父に話すべきかどうか迷った。結局、私は何も言わないことにした。家族はほぼ間違いなく老人の言葉を呪いだと考えるだろう。しかし、私の好奇心は掻き立てられていた。おそらく、いつか両親に私が生まれたときのことを聞いてみたいと思った。

 数週間後、ある晩、父は仕事を休むことを許され、「一緒に釣りに来ないか」と言った。私が暗闇を怖がらなかったので、父は私を釣りに連れて行くのが好きだった。私も夜釣りに行くのが大好きだった。父と話す時間があったからだ。