三月のうた~二季のはざまで この間新しい年を迎えたと思ったら 四半期の一期も終わろうとしている。 三月は芽吹きと別れと旅立ちの季節がともにやっては来る。 二季の季節の中で、三月は万葉に愛でた春の詩が一瞬通り過ぎる。 生き急ぐつもりもないが、時間だけは早く回る。 三月のうた 谷川俊太郎 わたしは花を捨てて行く ものみな芽吹く三月に わたしは道を捨てて行く 子等のかけだす三月に 私は愛だけを抱いて行く よろこびとおそれとおまえ おまえの笑う三月に