春
安西冬衛
てふてふが一匹韃靼海峡を渡って行った
安西冬衛(1989年~1965年)
安西冬衛の有名な詩である。
当時も今も凄い人だなと思った。
たった1行の短いもので有名な詩。
最初に目にした時は次項へ続くと思い
ページをめくってみたもの。
てふてふとは蝶々の事で、ひょうひょうと表現するが
良く噛み砕いて読めば、1行の中へと一気呵成に
凝縮圧縮された言葉の深い想いがジワっと溶け出す。
* 韃靼(だったん)海峡は樺太島とアジア大陸の間にある狭い海峡の事で、
私の祖父も含めて昔の人は間宮海峡とも呼んだ。