仕付け糸 この糸これ本当に切っていいの? ~大小仕付けと飾り仕付け~  | 大賀屋呉服店7代目「いいきものがかり日記」

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創業220年目を迎える岡崎市の呉服店7代目。新聞記者(企業取材)➡コンサルファーム➡着物屋で現在。スポニチ、中日新聞,地元ラジオ局など掲載歴多数、各種講演も実施中。主に岡崎市内の出来事や日本文化、老舗経営や映画について書いてます。趣味は映画鑑賞、読書、将棋

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#326 仕付け糸 この糸これ本当に切っていいの? ~大小仕付けと飾り仕付け~ 

https://youtu.be/ZE3Tw1h_YdI

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着物をあつらえる喜びのひとつが、仕付け糸をきる作業。新しい衣をおろすときの儀式のようなもの。

これを着てどこに出かけようかと胸躍るときでもあります。

原則、お渡し時はついたまま。

着る直前に着る方ご自身で糸を取ります。でもどれ切っていいのか迷うことがあります。切っていい縫い目といけない縫い目について解説しました


きものや羽織、袴、襦袢などを新調した時に袖口や裾周りに仕付け糸が付きます。


洗い張りや寸法の仕立て直しをしたときも同様です。


これは元来は和裁士さんが本縫いを正確に行うための下準備の意味があり、


仕立て作業の一つとして施されるものです。


これが着物の型崩れを防ぐことや、仕立てたばかりという目印、証拠として残す意味も多分にあります。


つまり付け糸が付いたままタンスの奥に眠ったきもの。


まったく袖を通していない可能性が高いわけです。


 


 


 


①とっていい仕付け


②取ってはいけない仕付け


があるのです


 


①とっていい仕付けを「大小仕付け」といいます。


着る前にはこれを切ってきれいに取り除く必要があります。


ここで大切なのは手でちぎらないこと。原則はさみ(糸切ばさみが切りやすいです)で、丁寧に手で取り除きます


 





「大小しつけ」は大まかな縫い目と細かい縫い目が交互に縫ってあることからこの名があります。


取りやすいようにざっくりとした縫い方がされています。


並縫いで軽く引っ張れば取りやすくなっていますのですが、中には玉留している箇所もあるので、


その場合はその根元付近を切って、玉ごと取り除きます。


 


②取ってはいけない仕付け糸


 




「飾りしつけ」と言って細かい「ぐし縫い」で施されたしつけは取ってはいけません。


留袖などの衿回りに見られる点状の縫い目です。生地の取り押さえと飾り装飾を兼ねたものです。


キレイな点線の様に一直線に等間隔で並んだ「ぐし縫い」で縫われていてます。


大小仕付けに比べ、縫い目の間隔が狭く、取りにくい縫い方になっていますので、無理して取らないでください


 




あと羽織の裏などに×印、クロス掛けのような形状の縫い目が見られます


これは千鳥掛けといって、生地の補強を目的に着けられる縫い目もあるので、それは取らないでください。


 


仕立てる人のクセにもよりますが、取っていい仕付け糸は白、


取っていけない部分は着物の生地と同系色で縫う人もいます。


共通するのは取っていい部分は並縫いで取りやすくなっていることが多いです。


分からない場合は仕立てにだした呉服屋さんに聞くとよいです。


あと長じゅばんの仕付け糸は取らずに着るという方が多かったのですが、近年は取る方が多数です。


 


余談ですが、女性が着物の仕付け糸を男性に取ってもらうと幸せになれる、


また取らないのは(縫い目を取らない白装束を連想させるため)縁起が悪いというなどの迷信、言い伝えありました。


 


これは仕付け夫婦円満や家内安全への願いだけでなく、「糸を取り忘れないように」という先人たちの知恵だったのかもしれません。


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