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着物ワンポイント講座
5分でわかる伊勢木綿
伊勢木綿は三重伊勢地方で作られる江戸時代から続く伝統の織物。着物だけでなく作務衣やハンカチ、最近ではブラウスの素材などにも使われてます。
その最大の特徴は柔らかな肌触り。現代の木綿にはない特徴で、弱撚糸でおられているからこその利点です。
通常は2本の糸を強く撚り合わせ1本の糸にする。所謂、双糸と呼ばれる糸を使います。切れにくい反面、生地は当然固くなる。その点伊勢木綿はその反対。一本の単糸を使うので、撚り合わせも2、3回。洗ったときに糸が綿に戻ろうとする性質をいかし、使うほどに柔らかさがます構造になっているのです。単糸は柔らかくてすぐに切れてしまうので、高速でおるのではなく、ゆっくり織る必要が出てきます。自ずと大量生産ができないゆえ、コストダウンが望めない。それでもその良さを知るからは高い評価を受けています。伊勢木綿を使った有松絞りの手ぬぐいは、いいお値段しますが、使えば使うほどに柔らかくなる逸品。
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織りにも染めにも手間のかかるのが伊勢木綿。こんな観点で見ると、木綿の表面のほつれや絞りの滲みすら、味わい深い工芸品。
炊き込みご飯の本当の旨味は底についたおこげの苦味にあるように、糸のほつれが味わいになりうる魅力的な素材なのです。
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