多くの人が誤解しているたとう紙の話 | 大賀屋呉服店7代目「いいきものがかり日記」

大賀屋呉服店7代目「いいきものがかり日記」

創業219年目を迎える岡崎市の呉服店7代目。新聞記者(企業取材)➡コンサルファーム➡着物屋で現在。スポニチ、中日新聞,地元ラジオ局など掲載歴多数、各種講演も実施中。主に岡崎市内の出来事や日本文化、老舗経営や映画について書いてます。趣味は映画鑑賞、読書、将棋

たとう紙は毎年こまめに交換しましょうの巻

 

 

 
 

大切な着物をしまうときに使う、収納用の和紙をたとう紙といいます。漢字で畳紙(たたむ紙)と書きます。

 

短期的な保管であればビニール製の保管もありますが、

通気性の面で、長い期間での収納はたとう紙をお勧めしています。

 

ビニールによる収納例。中身が見えるので、短期的な分類であれば便利です。

その場合は桐ダンスや桐箱での収納であれば桐の防虫効果に期待ができます。

 

タンスの奥にしまったまま、5年、10年と眠ったままという声を聞きます。実は着物の保管するうえでこれ危険なんです。

 

たとう紙にいれたまま保管して、裏地にシミが付くことがあります。

 

よく見ると黄変が広がってます。

 

結論言えば、たとう紙はこまめに変えましょう(できれば毎年)。

できなければたとう紙をタンスから出して、少し外気に開けてやるだけでもずいぶん違います。

 

 

 

理由を述べます。

 

たとう紙の素材は和紙(また安価なものはパルプ紙やボール紙)でできています。

これが落とし穴で和紙それ自体に防虫の効果があるのですが、それも永久ではありません。

 

紙は長く使うと、その分タンスの中の湿気を吸い込みます。それがムシを呼ぶ温床とやりやすいだけでなく、その和紙をくっつけつなげるために使われる糊成分にムシが集まるという側面があります。やはり、5年、10年湿気のたまったタンスに入れっぱなしにすることには限度があります。長くとも2、3年限度(本音言えば毎年交換)です。さらに虫干しが加わるとなおよいです。

 

あと管理するうえで、たとう紙の表部分に着物の種類や柄を書いておくと取り出すときに便利。紙の取り換えの日付書いておくのもよいです。

 

お母さま、おばあ様の大切な着物を、大切に保管するためにも、こまめに点検していただきたいと思います。

 

大賀屋でもたとう紙取り扱っています。

着物用一枚250円(パルプ製)、おおがや名前入りたとう紙600円(和紙製)

帯用500円(おおがやロゴ入り和紙製)

お気軽にお声掛けください。