サムが「僕の声が聞こえるのかい?」と尋ねると、モリーは静かにうなずく。
モリーが静かに、うなずくシーンが印象的で「どうして静かに、うなずいているんだろう?」と疑問に感じたけど、モリーにはサムの声が聞こえている。それは脚本家の実体験なのかも知れない。
エルビス・プレスリーの歌を聞いていると、震える声で、奇妙な歌い方をしている。
彼は貧しい家庭の出身で、黒人のブルースを聞いて育っている。
60年代の黒人はブルースで辛い現実を忘れようとしている。
ベートヴェンも耳が聞こえなくなって失意の中にいる。
もう空想するしかない。
ベートヴェンは聴力を失ってプライドも失って、権威主義も失って、なにもかも失って、失意の中で、空想する脳で作曲をしている。
ベートヴェンは空想しながら音楽を組み立てている。
そんな時、空想は楽器の音色の枠を超えている。
誰しも、話し相手から「それが本音か!」と言葉とは裏腹な気持ちに気付く瞬間があって「ベートヴェンは、そんな美を求めていたのか。」と感じることはできる。
空想するしかないベートヴェンの美は、ちゃんと伝わってくる。
[アラン・チューリング]で検索すると。
彼は同性愛者であると同時に、発達障害(特にASD:自閉症スペクトラム障害)の特性を持っていたと言われています。
イギリスでは、戦後も、同性愛は精神病として忌み嫌われている。
映画の中で、彼は周囲からも「気持ち悪い。」と嫌われて孤立している。
批判されても、悪口が聞えないのではなく、聞こえている。
彼は発達障害で、人の感情を認識する資質に欠けて、周囲から孤立して、周囲からの悪口にリアリティーを感じてない。
イノベーション能力は周囲を出し抜くことで、違う見方や違う考え方が必要だけど。
彼は発達障害で、ガラパゴス諸島の動物のように、周囲から隔絶された環境で独自の進化を遂げている。
彼は孤立して、独自の視点で、ものを考えている。
周囲の目を気にしないのは、障害も原因している。
健常者の空想と現実は繋がっていないけど。
欠点・欠陥と空想は、つながっている。
ピカソやルイス・キャロルも常識が壊れた絵や小説を書いている。
偏差値大学からイノベーションが生まれてこないのは、どうしても天才達の才能を長所のみで理解しようとするのが原因かも知れない。
生徒はテスト勉強のように評価を得ようとすると、常識にピントを合わせて、存在しない空想はしなくなってしまう。
才能は、ゆがみや誇張で。
健常者でもある優等生やAIには、創造的な破壊は無理なのかも知れない。
天才達には、常識の破壊がある。
将棋の駒も、ひっくり返せば使えるのは日本だけで、欠点も、ひっくり返せば能力になるという成功体験さえあれば、日本人には理解できる。
心配しなくても日本人には、コインの裏表のような才能と欠点、そして破壊的な創造は理解力できるのかも知れない。
人の能力を測る時、[答え]と答えを出すための[手段]を分けて考えた方が良い。
アランチューリングには周囲から嫌われることと、そこからの逃避でもある空想は繋がっているのかも知れない。
イノベーション能力は周囲を出し抜くことで、違う見方や違う考え方が必要としている。
彼は発達障害で、ガラパゴス諸島の動物のように、周囲から隔絶された環境で独自の進化を遂げている。
AIがあるんだから。
常識とか[正しい]という、こだわりは、一度忘れた方が良い。
評価を得るためのテスト勉強は、常識や、模範解答の方を向いて逆効果なのかも知れない。