イチロー 7 | エイジのブログ

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才能は、むしろ欠点に注目する方が分かりやすいのかも知れない。


コンピューターには進化という概念がなく、蓄音機がレコードプレイヤーに進化しても、そのことに価値が有るのか無いのか判断できない。

それにコンピューターに、非常識で非科学な[不思議の国のアリス]を読ませると、おそらく愚かな作家という評価をしてしまう。

しかし、人は蓄音機がレコードプレイヤーに変化すれば進化と評価できるし、非常識で非科学な[不思議の国のアリス]を読んで価値を感じることもできる。


人には空想力があって、何かひらめきを得ると空想は、とりとめもなく膨らんでいく。

それは、常識をブレイクスルーしている。

要するに価値基準の枠外のものでも評価している。


人とコンピューターを比較して、コンピューターにはできないことに注目することで、人の知能が再認識できる。

才能は、むしろ欠点に注目する方が分かりやすいのかも知れない。


人の脳は、おとぎ話のような科学ですらないものにも、ちゃんと価値を感じているし、イチローを見てバカげているとしか思えないものには、自分の価値観のプログラムを書き替えて価値を感じている。


コンピューターには、プログラムを自力で書き換えることができない。


最初は「踏み込みは勢いをつけることでのみ意味がある。」という考え方にこだわっていた。むしろそんな考え方の方が自然で常識的!


それがうまくいかない。

桑田真澄というボールを長くもって投げる投手がいて「1・2の~3」という間延びのあるリズムで投げてくる。

打者はタイミングを合わせようとして桑田真澄の投球のリズムに合ってしまう!しかし、そんな「1・2の~3」のリズムでバットを振ると、力が入らず打球は飛ばない。

それが打てない原因にもなっていた。


そんな時イチローを見て間延びのある踏み込みは、リズムが似ている!

投手のリズムに似ている。

「このリズムならタイミングが合うかも知れない!」

投手の「1・2の~3」というリズムは、打てない原因になっていたものが、イチローにとっては打てる理由になっている。


そんな経緯から、イチローの踏み込みのゆっくり感!一見バカバカしいとしか思えなかったやり方から、バッティングのコツを見つけ出している。


価値観が、ひっくり返っている。

才能は、むしろ欠点に注目する方が分かりやすいのかも知れない。


しかし!いきなり、そんな不自然な考え方はできない!最初は常識的考え方をして行き詰って、やがて非常識な考え方で決着している。


創造の歴史は、非常識でおかしな考えという、欠点から生まれている。


人の脳は、模範解答ではなく、むしろ非常識でおかしなやり方に価値を見出して、何度も何度も自分の脳のプログラムを書き換えながらイチローを理解している。

何度かプログラムを書き換えないと理解できない。

むしろ正しいと思われているプログラムの欠陥を見つけ出して、そして書き換えるのが思考力かも知れない。


常識を否定する!というよりも非常識を肯定する。

多数派で常識的な考えよりも、むしろ欠点に注目することで見えてくる!

そしてオセロのように非常識を常識に変えて、また一つ新しい価値観を手に入れている。それが理解力かも知れない。


人の脳は、まだまだコンピューターには負けていない。