飲食店で横に座った20代らしき若者から不意に発せられたこの注文に店員は大いに困惑した

勘の良い方はお気づきだろう

ジェスチャーまで交えた必死さに苦笑しながら俺は思わず加勢して"通訳役"を買って出たのだが、彼が頼みたかったのはおしぼりのことである

 

事の後、色々考えた

一見日本人の男の子2人かと思ったが、一方または両方が来日間もない外国人だった、或いは飲食店でのおしぼりサービスは彼には当たり前で、偶然これまで自分で頼んだことがなく、その単語を知らなかった、など

俺の親切心によって、彼は知恵をつけこれから堂々と的確におしぼりをリクエストできるようになった

おしぼりの例は余りに一般的で当てはまらないが、飲食関係では他にも味がある符丁や隠語が数多い

大したことはないが、俺の経験と知識が次世代へ継承される場面がこれから増えたらちょっと嬉しい