去る7月30日、声優の小林清志さんが逝去された
今更、ルパン三世の次元大介役で有名なんて紹介は不要だが、俺にとって小林さんのハマり役は次元ではなく装甲騎兵ボトムズに登場するグレゴルー・ガロッシュである
(写メはゼリー・マウスさんのTwitter(@skyriderman2)から借用)
ボトムズの主人公キリコ・キュービーが過去に在籍した特殊部隊レッドショルダー時代の同僚、かつてそのキリコをスパイの画策によってグレゴルーが殺害しようとしたこともある、といった物語上の人物設定が一応あるが、小林さんの燻し銀の演技によって文字化されていない魅力が大いに付加されて、非常に人間性豊かなキャラクターになっている、登場機会は少ないが長いボトムズシリーズの中でも俺の特にお気に入りのキャラクターである
小林さんファンなら多くが見聞きしているだろうが、未見の方がいたらチェックされることをお勧めする
(OVA『ザ・ラストレッドショルダー』『レッドショルダードキュメント 野望のルーツ』に登場)
ところで、小林さんの長い芸歴のせいもあり、一度wikiへアクセスすると沢山の関連情報を見ることができて、それなりに声優業以外の人となりを理解するのは容易い
一方、俺の場合、故意か偶然かを問わず、声優さんのパーソナルに触れてしまった時、その本人の人相を含めた人物像に、声だけから受ける印象とのギャップの大きさにショックを受けることが割合多いのだが、今更考えるとこれは現状への自覚の欠如の為す所業か、もしくは上記ショックを回避するために、盲目的にキャラしか見ようとせず、実はそこから透けて見える声優業界の実情を見て見ぬ振りをする怠慢である
wikiによるとこの小林さんもメディアへの顔出しはNGだったことが紹介されているが、若手声優が従来の垣根を越えた活動を強いられてる現状を見る限り、以前とは事情がかなり違っていて、wikiのそれはやや古臭い記述に思えてしまう
働き方改革ではないが、タレント、俳優、声優それぞれが今より明確に別れていた時代にはもはや戻らない
お恥ずかしい話だが、少し前までは俳優が2足のワラジでアニメの声を当てるなんてアニメの終わりだなんてことを考えていたこともあった
実態はえり好みの利かない競争の激しい世界であり、これからもアニメとお付き合いする以上、俺も身体に染み付いた古い感覚と決別しないといけないということだろう
小林さんの訃報は、そんな覚悟を惹起させる出来事でもあった
最後にあらためて、小林清志さんのご冥福をお祈りします