4K HDRリマスター+ドルビーアトモス版による「さよなら銀河鉄道999」のリバイバル上映を観てきた
東京の上映館である有楽町の丸の内ピカデリーでの2週間限定の上映は公開後の最初の週末とあって場内は大入り
永年のファンが押しかけたであろう、ほぼ中高年以上の男女が席を埋め尽くした光景は、まるでこの作品を愛するファン同士の同窓会を見ているよう
40年以上前のアニメだし、今でいうマーベルコミック映画の走りのような松本零士マンガキャラ総出演の話だし、プロットを含めて細かな点はさておき、音響設備を整えてリマスタリングしてもシンエヴァ のようなトータルクオリティには届かない
 
がそれはどーでもいいのだ
この映画の醍醐味は4年前に惜しくも他界された作曲家 東海林修さんによるアニメサントラという形容を超えた素晴らしい劇伴音楽とそれが被るシーン毎のマッチングの妙である
何を隠そう、多分このサントラを、マジで毎日欠かさず聴き込んでいるのは世界を見渡しても俺くらいだろう、それ程惚れ込んでいる音楽なのだ
この映画で特にお気に入りなのが、主人公星野鉄郎が再び旅路に就くべく、死線を潜り抜けてきた仲間の後押しで999号に乗り込み地球を離脱するまでのシークェンス
曲名でいうと「メインテーマ〜新しい旅へ〜」に載せて、終盤に描かれる故 森山周一郎さんが演じる老パルチザンによる死に際のモノローグのシーンは東海林さんによるこの曲以外の選曲はありえない出来栄え、しかも今回は念願叶った「本来の」ボリュームで鑑賞出来て、何度も観て感極まる体験をしているのに今回も飽きずに目頭が熱くなった
 
そもそも今回のリバイバル企画は海外向けのビジネスを視野に入れたアーカイブ活動の結果のお披露目という側面を持ち、だとすると珠玉の劇伴との最高の組み合わせを大音量で堪能するのはこれが最後かもしれない、と思うと少し寂しい気がする
月並みだが良い映画はやはり劇場鑑賞に限るのである