若年性健忘症が問題になっていると初めて聞いたのは
どのくらい前のことだっただろうか
自分として思い当たるのは大抵の場合、
一瞬前に考えていたことを完全に失念したり、
特定の固有名詞が思い出せなくて「アレ」「ソレ」という
指示代名詞を多用してその場の難を逃れる症状である
最近そういう症状の自覚頻度が増してきたので
他人事ではないと気になっているわけだが、
随分前にテレビでこの退化を最小に抑える
手軽なトレーニング方法として
諦めずに思い出す行為を続けることの重要性が説かれていた
結果、思い出せないまでも脳に適度な負荷をかける
ことがボケ対策にも効果があるということらしい

但し、漫然と知覚した物事というのは
元々記憶に残りづらいものである
覚えておきたい対象を、例えば大学受験時の
歴史上の人物を記憶する作業に相当する熱意をもって
例えば語呂をかけてみたりジェスチャーを
取り入れてみたりして記憶する努力ができればいいが、
人間そこまで生真面目には出来ていない
そこでその「退化礼賛」の象徴として現代には
電子デバイスという便利なものが普及してきた
ICレコーダーだったりスマホの手書きメモ機能だ
ここで時代の寵児、秋元康氏の
こんな発言が頭をよぎるのである

(次回に続く)