今年も桜の季節がやって来ました。家の近所の桜も9割方開花してきているみたいで、朝からさっそく、自転車に乗りながら淡いピンクの色彩を楽しんできたところです。
さて、発表されてからすぐに発注したFE168SS-HPが「やっと」(笑)手元に届きました。届いたからには、重い腰を上げて、さっそく交換作業に入りました。
まずは重いスピーカーを引っ張り出してきて部屋の真ん中にゴロンと寝かします。定位置に居るときにはあまり感じなかった威圧感を感じます。オリジナルのD-37とは違い、奥行きが490mmもあるのです。
まずはネジの頭に入れた「ひっつきむし」を耳かき(←本当です笑)でかき出しました。
久しぶりに中を覗きます。表は無塗装なんですが、なんと!中はウレタン塗料でがっちりとコーティングしています。当時、しばらく部屋から塗料の匂いが消えなかったことを思い出しました。
新旧ユニット比較。ぱっと見、色が違うだけです。
FE-168ESより奥行きが長くなっていて、自分のボックスの場合はそのままではヨークの底がつっかえて取りつかないので、ワンオフの厚み3mmの銅板のスペーサーを「かっぱ堂」という試作屋さん
に作ってもらいました。素人の個人に対して、CAD図面起こしや寸法間違いの訂正をおこなっていただき、おまけに相当リーズナブルな値段の見積もり(サラリーマン設計者として長年、板金や樹脂の試作をいろんな試作屋さんにお願いしてきた経験があります)でしたので、気持ちよく発注させていただきました。
これを使うことで、ヨークの裏に3mmの隙間が確保できるという算段です。一つ誤算があって、上の写真のように、ボックスの内部にフェルト(厚み5mm)を貼ってあったため、写真のような位置に内部のケーブルがあると、ヨークの底が乗り上げてしまって、ユニットが浮いてしまうというトラブルに見舞われました。ケーブルがヨークの裏に来ないように取り廻すのに少々手間取りました。
そして完成!全く違う見た目になりました笑。
さっそくいろいろ聴いていますが、真っ新なのにまったく普通の音がします。一聴、全体的には168ESとよく似た音がしますが、耳をすますと、アチコチ違うようです。
かれこれ18年も使ってきた168ESには熟成された部分もあれば劣化した部分もある ( それにしては劣化した雰囲気は微塵も感じないタフなユニットだ ) だろうし、片や新品のSS-HPが真価を発揮するには、ある程度の準備運動が必要です。まずはこの状態での比較になりますが。。
ザ・バンドのSACD『ミュージック・フロム・ビッグ・ピンク』の一曲目、『Tears of Rage』のバスドラがグーンと下まで延びていて気持ちいいったらありゃしない。ESと比較して勝っているかどうかはまだ断言はできない感じですが。。また、今まで気が付かなかった情報が中高域にシャカシャカ現れました。
松田聖子のSACDでは、バックミュージックは全体的にローエンドが伸び、情報量や左右への音の広がり感がほんの少し増したように感じました。でも、肝心の声の方が、これもほんの僅かですが「硬さ」みたいなものが出てきたようです。佐井好子や山崎ハコ、イーディ・ゴーメの声にもわずか ( ほんの僅か、曰く微妙に ) に似たような印象を感じました。これがエージングでどうなるか?が楽しみですね。
でも、最近ハマっている松原みきの『-CUPID-』では、よりいっそうの色っぽさが増していて ( メロメロにされてしまいました笑 ) 、正常進化している部分もあるのかもしれませんので、これからが楽しみです。
ツェッペリンやクリムゾンのジョージ・ピロスがマスタリングしたレコードでは、いつものようにバスドラムがハフハフとせまってきて気持ちいい!ESでも同傾向でしたが、この部分はすでにSS-HPの方が上回っているような感じもあり、エージング無しでのこの現象は少し不思議です。ESが劣化していた!という線もあるのかもしれません。。また、「空気室」の実効内容積がわずかに「減った」ということも微妙に作用している ( 簡単なシュミレーションソフトでみるかぎりローエンドが伸びるみたいなんですが、真偽は不明です ) のかもしれません。
そんな感じで、悪い方向には行っていない(←アタリマエか!)ようなので、このままコイツとしばらく付き合っていきたいと思います。