ニンフをいくつか巻いて、趣が乗ってきたので、昔から何度もトライしているヴィンセント・マリローナのソラックス・ダンを巻いてみました。
『フライの雑誌 36号』のスタンダードフライ・タイイング図説に載っているものです。
シンプルなフライなんですが、ハックルをX(エックス)状に巻くのがむちゃくちゃ難しくて、何度も何度も失敗を重ね、ようやくそれらしく巻けるようにはなってきましたが、まだまだ先は長そうです。
キモはハックリングする部分であるウィングの根本の部分にダビング材で小さな玉状(直径1.5~2mmくらい)の下地を作ることと、ハックリングを終えた後にウィング前方にダビングする際に、ハーフヒッチャー等を使って、ハックルを巻き込まないようにすることだと睨んでいます。が、そうは簡単にはできないんですよねえ、コレが。。
実は、わざわざそんな難しい巻き方をしなくても、普通にハックリングして、ハックルの下部をハサミで切ってしまっても、普通に使えるソラックス・ダンはできるんですが、僕がこの巻き方に拘るのには訳がありまして。。
昔々、大阪日本橋にあったフライフィッシングショップ「モンタナ」で店主にこのフライを見せてもらったことがあったんです。
店主「コレ、ソラックス・ダンやで。」
僕「あ、ハックルの下切るやつですよね!」
店主「切ってへんわい!」
今でもありありと思い出せます。軽くカーブした大き目のコロンとしたウィングで、シャキーンとX字型にハックリングされ、「ふーっ!」と息を吹きかけるとそのまま飛んでいってしまいそうな生命感を宿しながら、店主の手のひらにとまっていたんです。