こんにちは。前回の記事では、額挙上の基本的な原理から
切開・剥離の範囲、眉筋リフト、組織を固定する方法まで、
手術の流れについて詳しくご説明しました。
今回はその続きとして、実際のカウンセリングでよくいただくご質問について、
もう少し具体的にお話ししていきます。
「元々額が広いけれど、額挙上をするとさらに広くならない?」
「以前に額のヒアルロン酸注入や脂肪注入をしていても手術できる?」
「手術後の感覚や眉の左右差はどうなる?」
など、額挙上を検討する際に一度は気になるポイントを中心にご説明します。
今回は、額挙上後の額の長さの変化、過去に受けた施術との関係、
感覚や眉の左右差、ドレーンの使用、鼻整形との併用まで、
一つずつ詳しく見ていきます。
Q1.額が広いのですが、額挙上をするとさらに広くなりませんか?
最もよくいただくご質問の一つです。
結論からお伝えすると、
ケースによって異なり、手術のデザインによって調整することができます。
▶ ヘアラインと額の長さの変化
額挙上は頭皮を後方へ引き上げて固定するため、
額が5〜8mmほど広くなる場合があります。
(額挙上と脂肪移植を並行した症例)
ただ眉も上がるため、見た目では大きな変化を感じません。
元々額が広い方は、さらに広く見える可能性があるため、
額縮小との併用をおすすめする場合があります。
額縮小でヘアラインを前方へ移動させながら額挙上を行うことで、
広い額と下がった眉毛を同時に改善できます。
▶ どのくらい額を短くできる?
額縮小のみ:約1.5cm 額縮小+額挙上:最大約2cm
額挙上を併用すると頭皮を十分に剥離するため、
ヘアラインをより前方へ移動させることができます。
切開はヘアラインに沿って行い、傷跡から毛髪が生えるように工夫します。
また、前頭筋と眼窩上神経を温存し、額の感覚や表情を守ることを重視しています。
Q2. ヒアルロン酸や脂肪注入をしていても受けられますか?
基本的には可能です。
ただし、注入物の状態によって事前の処置が必要になる場合があります。
▶ ヒアルロン酸を溶かす必要がある場合
ヒアルロン酸の量が多い
固まっていたり、移動している
炎症やしこりがある
ヒアルロン酸の種類が不明な場合
この場合は、ヒアルロン酸を溶解し、
最低2週間ほど空けてから手術します。
▶ ヒアルロン酸が残っていても手術できる場合
少量で均一に入っている場合や、時間が経ってほとんどが吸収されている場合は、
状態を確認したうえで手術可能です。
▶ 過去に脂肪注入をしている場合
額挙上は骨膜付近の深い層を剥離するため、脂肪注入を行う層とは異なります。
そのため、額挙上と同時に凹凸や過剰に注入された脂肪を整えることも可能です。
ただし、2点注意が必要です。
- 注入した脂肪は自分の組織と混ざっているため、100%除去するのは難しい
- 脂肪を除去しながら組織を引き上げるため、むくみが落ち着く3〜6ヶ月頃までは最終的な輪郭を判断しにくい場合がある
カウンセリング時に必ずお伝えください
施術時期・ヒアルロン酸の種類(製品名)・脂肪注入の回数によって、
手術計画が大きく変わります。
Q3. 感覚が戻らなかったり、眉に左右差が出ることはありますか?
▶ 頭皮の感覚低下
額挙上後に頭皮の感覚が鈍くなるのは、多くの方にみられる一時的な回復経過です。
剥離の際に細かな知覚神経が引き伸ばされ、一時的に機能が低下するためです。
一般的な回復の目安は、
1ヶ月: 頭皮全体が鈍い感じ
2〜3ヶ月: ピリピリ・かゆみなど神経が回復する感覚
3〜6ヶ月: 大部分が回復
6ヶ月〜1年: 残った違和感も徐々に改善
▶ 温存すべき神経
額挙上で特に重要なのは、眼窩上神経・滑車上神経: 額〜頭皮前方の感覚を担当、
顔面神経前頭枝: 額を動かす運動神経
これらを損傷しないため、神経を直接確認しながら手術を行うことが重要です。
眼窩上神経が骨の孔を通る場合はその走行を確認し、
側頭部では顔面神経前頭枝が走る層に入らないよう剥離します。
神経周辺では電気メスの使用も最小限にします。
▶ 額挙上後の眉の左右差
まず知っておくべきことは、眉は非対称で左右が異なるということです。
普段はほとんど気づかないほどですが、
写真で確認すると元々非対称であることを認識します。
術後の左右差には、
元々の眉の左右差
左右の腫れの違い
普段の額の使い方の違い
固定位置や固定力の違い
などが影響します。
手術中は左右の固定位置や強さをそれぞれ調整し、
元々の左右差も可能な範囲で補正します。
ただし、腫れによる一時的な左右差もあるため、
最終的な判断は術後3〜6ヶ月頃に行うのが適切です。
Q4. オンユでは、なぜ額挙上でドレーンを使用するのですか?
▶ ドレーンの役割
剥離した部分には少量の血液や組織液が溜まることがあります。
ドレーンはそれを外へ排出するためのもので、
血液・組織液の排出
血腫(hematoma)の予防
組織の密着を促す
腫れの軽減
などの役割があります。
特に血腫は、額挙上後に注意すべき合併症の一つです。
ドレーンをすることで、剥離したスペースに血液が溜まるリスクを早期に減らします。
▶ ドレーンを使用する理由
剥離範囲が狭い術式では、ドレーンを使用しない場合もあります。
一方、オンユでは靭帯を十分に剥離し、
必要な挙上範囲を確保するため、剥離スペースも広くなります。
そのため、安全性を考慮してドレーンを使用しています。
▶ ドレーンを抜くタイミング
抜去時期は、排液量と色の両方を確認して判断します。
1日の排液量が10〜15cc未満
濃い血性から、薄く透明に近い液へ変化
この2つを目安に抜去します。
多くの場合は術後1〜2日程度で除去可能で、
オンユでは安全性を考慮し、基本的に術後2日目の除去を基準としています。
- メリット: 血腫リスクの軽減、腫れの軽減、組織の密着・癒着を促進
- デメリット: 除去するまで多少の不便があり、挿入部にごく小さな傷跡が残る ことがあります。ただし、頭皮の内側なのでほとんど目立ちません。
Q5. 額挙上と鼻整形は、どちらを先に受けるべきですか?
同時手術も可能ですが、基本的には分けて行うことをおすすめします。
額挙上後の腫れは重力によって下がり、鼻周辺まで広がることがあります。
鼻整形直後は形が安定する大切な時期のため、
額からの腫れが重なると回復や経過観察に影響する可能性があります。
▶ 順番はどちらが先でも可能
分けて行う場合、順番に大きな決まりはありません。
額のたるみ・重さが気になる → 額挙上を先に
鼻の悩みを優先したい → 鼻整形を先に
▶ おすすめの間隔
先に受けた手術の腫れが十分に落ち着いてから、
次の手術を行います。目安は約3ヶ月です。
腫れが残った状態ではデザインの基準が曖昧になるため、
十分に回復してから次の手術を行う方が、より正確なデザインにつながります。
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