私は持たざるもの
今朝の空は高く、私だけが愉しんでいる
教室の椅子に腰掛けて空を眺める
重たい体と太くなった腰回りに窮屈なズボンがみすぼらしい
高い青い虚空を眺めるとき私の魂は其所にある
私は持たざるもの
余計なものはすべて置いてきた
それなのに気づけばいろんなものがぶらさがっている
重くて身動きがとれないこともある
ぶらさげたのは当の本人だというのに
私は持たざるもの
積み上げたものはもう崩れ去った
船の航跡のように儚いものだ
薄紅の泡だけが私の道のりを知っている
それでいい、泡を抱いて寝るとするか