『八ヶ岳の朝』 | 洋風文芸館(旧時計台)”おにょにょの館”

洋風文芸館(旧時計台)”おにょにょの館”

大正時代に金沢市を見下ろす卯辰山の山麓に時計台が建築され、洋風文芸館として今に残っています。文芸館の管理人”おにょにょ”は映画や文学、ときに音楽をこよなく愛する奇妙な生き物です。このブログはその”おにょにょ”が愛する作品達を、備忘録として残したものです。

羽布団に包まれて冷気が頬をこする

真新しい欅の柱が芳香を発する

布団を跳ね上げて新鮮な空気に身をさらすと

そぞろな気分がまとまる

小鳥の鋭い警笛が屋根を突き刺して私にとどく

窓ごしに見える森のしじまはどこまでも見渡す限り重なる

おはよう

誰に向かっていうでもない

おはよう

私は道具でもなければ装置でもない

小鳥や森の住人は主体でもなければ客体でもない

八ヶ岳の朝の森では

私も小鳥も森の住人も皆平等で区別がない

生存競争の中に奇妙な調和があるのだ