羽布団に包まれて冷気が頬をこする
真新しい欅の柱が芳香を発する
布団を跳ね上げて新鮮な空気に身をさらすと
そぞろな気分がまとまる
小鳥の鋭い警笛が屋根を突き刺して私にとどく
窓ごしに見える森のしじまはどこまでも見渡す限り重なる
おはよう
誰に向かっていうでもない
おはよう
私は道具でもなければ装置でもない
小鳥や森の住人は主体でもなければ客体でもない
八ヶ岳の朝の森では
私も小鳥も森の住人も皆平等で区別がない
生存競争の中に奇妙な調和があるのだ